大志を抱く者のもとには星が降る�� ページ5
side ゴウ
飼い主がお腹が空いているということは、ポケモンたちも同様だ。
2人でさくっと食事を摂った後、外でポケモンたちのごはんタイムとなった。
秋も深まったこの季節、夜の風は少々肌寒かった。
だだっ広い庭には、ポケモンバトル用のコートがあった。
コートの真ん中に置かれたポケモンフードを、ポケモンたちが美味しそうに頬張っている。
俺はAさんとコートの端のベンチに座って、ポケモンたちを見守っていた。
「すごいですね。家にこんな広いコートがあるなんて」
「まぁ珍しいかもね。小さい頃はここで、ナックルシティのジムリーダーのキバナって知ってる？あいつとよく戦ったなぁ」
「キバナさん！？知ってるも何も、マスタークラスじゃないですか」
思いもよらない有名人の名前が出てきて、驚きを隠せない。
「あ、そっかそっか。あの試合見てたんだもんね。キバナとは幼馴染なんだ。あいつはバトルが好きでトレーナー、私はポケモンが好きで研究者の道に進んだんだけどね」
「そうだったんだ」
キバナと一緒にいるAの姿を想像する。
なんとなく、遠い存在になったような気がして、面白くなかった。
「そういえばゴウ君は、どうしてガラルに？」
「カントー地方のクチバシティにある、サクラギ研究所って知ってますか？」
「もちろん。おばあちゃんがお世話になってるもの」
「俺、そこのリサーチフェローなんですよ。それで、調査を命じられてここに」
「えー！ゴウ君ってサクラギ研究所のリサーチフェローだったの！その歳ですごいね！」
「そうなんですよ！もういつも冒険が楽しくって！毎日あたらしいポケモンと出会えるんです。それで一緒に調査してるサトシとも毎回盛り上がっちゃって。ゆくゆくは、この世界にいるポケモンを皆捕まえて、最後にはミュウも仲間にしたい！そのために今頑張ってるんです！」
言い終わった後、少ししゃべりすぎたか、と後悔した。
が、Aの表情をみて、その不安は一瞬でかき消された。
勢いよく彼女が話に食いついてくる。
大志を抱く者のもとには星が降る�□�←デスクワークinマグノリア研究所��
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作者名：suzu | 作成日時：2021年1月2日 19時
