山田家長女と入間家長女の日常 5

193日目 ページ42

やっと下ろして貰えた一椛だが相当恥ずかしかったのか顔は真っ赤に。火照った自分の顔を冷ますようにパタパタと顔を扇いだ。


「どういう褒め方よほんとに……」と照れながら言う一椛だがどこかしら嬉しそうで。


それに一郎も気づき、ふっ、と表情を和らげた。





一郎「でもまぁ、マジで過去最高得点ですげぇじゃねぇか。頑張ったな」

一椛「へっ……？」



そう言って一郎は優しく一椛の頭を二郎や三郎を褒める時と同じように撫でた。一郎は慣れているから何も違和感なくやるが一椛はそれどころではなかった。



褒めてもらうとは何か。グルグル考えた結果撫でてもらうのは恥ずかしいと思った。撫でて欲しい気持ちはあったが恥ずかしいがためそれ以外。ていうかもう褒めてもらうのを辞めようとした。


にも関わらず一郎は何も躊躇することなく一椛の頭を撫でてきたことで嬉しさと恥ずかしさでいっぱいいっぱい。






一椛「な、な、なでっ……！！！」

一郎「ん？」





…………と、まぁ。兄妹2人でイチャイチャしているのを二郎と三郎が黙って見ていられるわけもなく。2人して眉間にシワを寄せながら小さく一言零した。





二郎.三郎「｢ ………………ずるい。｣」





ぼそっと言われたその言葉の一郎と一椛は「｢え、？｣」と声を揃えた。それが合図だったかのように二郎と三郎は急にマシンガンのごとく話始める。





二郎「俺だって！！俺だって兄ちゃんに褒められたい！！！！ずりぃよ！！！なんか！！！」

三郎「二郎と意見が被るのは癪ですが！！一椛姉だけずるいです！！！僕だってテストいい点数取ってるのに！！！」

一郎「え"、いや、……ちゃんと褒めてんじゃねぇか」

二郎.三郎「｢そうじゃない！！！！｣」





「僕だって高い高いしてほしい」だの「俺も抱きしめられたい」だの話し出したら止まることを知らないのか沢山出てくる。




一椛からしたらいや、もう高校生だよ？高い高いされたいの？？？え？？？と、混乱状態。ぎゃあぎゃあ騒ぐ2人をみて呆れるものの一つ、いいことを思いついた。




人のプリンを勝手に食べた二郎にこうなった原因の三郎。三郎があの時あそこにいなかったらこんなことなっていなかったのでは？？



と、一椛の黒い部分が芽を出す。言いたいことは言いきったのか肩で息をする二郎と三郎。2人と目が合うやいなや一椛はニヤッと悪そうに口角を上げた。

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