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八話 ページ8





保冷剤で冷やしながら、チラリとAちゃんのことを見る。


綺麗なストレートロングの黒髪、大きな目、白い肌…とてつもなく整った顔をしているが、二十一歳の割には可愛らしい。
童顔なんだ…

じっと見つめていると、自分の手に付いた痕を見ていたAちゃんが顔を上げ、目が合った。



『…?』


「ごめん、何でもない」



慌てて目を逸らす。

見つめていたの、バレてないかな…


…それにしても、これからどうしよう。

家にはベッドが一つしかないし、食材もない。着替えは今日のところは何とかなるだろうけど…


とりあえず…今日は外食にして、他のことは後で考えよう。



『…もう大丈夫です。ありがとうございます』


「そう?じゃあ…帰って来てすぐで悪いんだけど、食材が家にないから外食しようか」


『はい』



財布を手に取ったAちゃんに、「奢るから」と言い聞かせて、無理矢理手ぶらで外に出させた。

行きつけのラーメン屋、まだ営業時間内だったはず。そこでいいかな…


この時間帯だからか、ラーメン屋は空いていて、すぐに席に座れた。



「何頼む?」


『…本当に、奢ってもらっていいんですか?』


「いいからいいから。俺は激辛ラーメンにしよーっと」


『じゃあ…味噌ラーメンで』



俺が注文していると、Aちゃんは水を二人分入れてくれた。優しい。



「一番の問題は、ベッドが一つしかないことだなぁ」


『床でも大丈夫です』


「俺がソファで寝るから大丈夫。Aちゃんはちゃんとベッドで寝てね。家主命令!
あ、一緒にベッドで寝ましょう、は絶対なしね!」


『う…家主命令……』



諦めたのか、小さな声で『はい…』と返事をした。
家主命令、強い。


話している間に運ばれてきたラーメンは、とても美味しそうで思わず涎が出そうだった。

Aちゃんは俺のラーメンを見て、うわぁ…って言ってたけど。



「いただきまーす」


『いただきます…』



一口食べると、辛味で口の中が痛くなる。
うん、懐かしい味。気分転換によく食べたんだよね。


Aちゃんは、味噌ラーメンに目を輝かせて、ゆっくり一口食べた。

あ、幸せそうな顔してる。ラーメン好きなのかな。



「美味しい?」


『っはい!凄く!』



ラーメン屋に女の子を連れてくるのはどうなのかな…と思ったけど、杞憂だったみたいだ。



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作者名:鈴里風夢 | 作成日時:2019年2月2日 17時

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