鈴蘭は可憐に咲き誇る～第3章～ (ページ1)

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作間 side

負傷者2人は幸いにも軽傷で済み、あのアクシデントの後は、瑞稀先輩と一緒に裏方として色々仕事をしたが、特に何事もなく学園祭を終える事が出来た。

蒼弥の事が心配だったけど、涼先輩が一緒だし、何も連絡が入らなかったから大丈夫なんだろう。

後夜祭は体育館を使い、有志を募ってフェスのようなものを行う。

十二代前の生徒会本部が始めて、今では伝統になっている。

生徒会本部主催なので、完全に裏方だ。

実行委員と協力して進めている。

本部メンバーが表舞台に立つ事もあるらしいが、6人以上本部に所属している時しか出ないそう。

過去に2回あった程度だ。

確かに、実行委員の一部がMCと設備担当として協力しているとはいえ、表に人員は割けないだろう。

バンドやダンス等、学園祭の特設ステージで行ったものとラインナップはさほど変わらないが、後夜祭のステージの方が派手な印象を受けた。

瑞稀先輩曰く、後夜祭は生徒達が盛大に盛り上がれるよう、安全確保と治安維持の為の制限はあるが、それ以外の制限が殆ど無いので表現が自由になる分、派手になるそうだ。

確かに、メインの学園祭は一般開放されているから、学園として印象良く、品位を保てるよう制限を設けている。

運営側として制限等ルールは理解していたけど、ここまで違いが出るとは思っていなかった。

有志の中には一部先生方も居る。

後夜祭は、先生も羽目を外せる場所でもあるのか。

パフォーマンス中は舞台袖から少しだが観る事が出来て、確かに此方の方が楽しそうだ。

…盛り上がりすぎな気もするけど。

今年は特に、だそうだ。
何故なら、普段は出ない風紀委員が出ているから。

元々歴代含め風紀委員は人気が高かったが、今の風紀は特に顔が良くて文武両道、より注目されていた。

委員長の浮所先輩が、今年は出てみよう！と言い出したらしい。

しかもトリだ。

あの人らしいとは思うけど。
こういう事好きな人だったし。

風紀がステージに立つと、今日一番の歓声が上がった。

歌とダンスのパフォーマンス。

クオリティも一番高い。

…よく練習できたな。
忙しかった筈なのに。

そんな感想を持ちながら、後夜祭は無事に成功して終わった。