漆 ページ7
雪のように白く、どこにも白以外が見当たらないその肌はまるで雪景色。
その頬を一面真っ赤にさせて言われる立場になってもみろ。腰にくる物があって暫く顔が向けられなかった。
「…っそ、うか」
「冨岡さん、は…」
不安げに俺を見つめて揺らぐ瞳。
目は口ほどに物を言う。その言葉通りに目には『嫌わないで。』と言う怯えが隠れていた。
俺はそっと肩を抱き寄せて木に持たれかかるAを自分の腕の中に納めた。
「…俺も、お前のことを大切に思っている。」
腹の辺りからするすると背中に回されるAの腕。
少しして離し、また担ぐ。
再び胡蝶の元へ向かっている時には、Aは眠っていた。
「(…俺以外と接吻をしないでほしい)」
これからの生活で過ちが生まれることもあるだろう。
俺がずっと見ていられる訳が無い。
その間に理性を失って知りもしない男と口を交えていたら、と考えると胸が押し潰されそうになった。
こんな短期間で大きく膨れあがった独占欲。
どうすれば、収まってくれるのだろうか。
ー
ーーー
ーーーーー
「あら、冨岡さん。夜の間に来たんですね。
鬼何でしょう、その子。」
「ああ。」
夜、と分かっただけで直ぐに察する胡蝶。
胡蝶は『鬼と仲良くする』ことを掲げている割りに直ぐに刀を振る。
だが、Aには刀を向けなかった時点でAがまず普通の鬼ではないことが証明された。
「微かに鬼の気配がありますが、ほぼ人間として生きているようですね。これはどうしたものか。」
担いでいたAを敷かれた布団に下ろし、胡蝶が診察する。
「今の時点での情報を教えてください。」
「名前は竈門A。歳は十一。家族が鬼に襲われた中での生存者だ。
日に当たっても死なない。体力が削られる程度だった。
人を喰わず、接吻から生気を回復するらしい。」
「あら、それは何故分かったのでしょうか。」
しまった。と思い俺は口を塞ぐ。
「したんですか?接吻。」
「事故だ。」
ふふ、と俺を茶化すように笑う。
胡蝶はAの頭を撫でて、「困りましたね。」と言った。
「人間に限りなく近い鬼。どう生きていくのかが問題です。」
「鬼殺隊に認められるかか。」
「認められたとしてもどうするんですか?接吻で生きていく鬼だなんて。前例が無いですし、原理や供給が問題です。」
問題は山積みだ。少しでもそれを解決するために、Aを蝶屋敷に預け、色々と調べてもらうことにした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
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西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
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にゃるす。(プロフ) - 最高でした!!細かい描写とキャラ達の心情が凄く心に刺さりました!!こんな素晴らしい作品を作ってくださり有難うございます!!! (2023年1月30日 21時) (レス) id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
Turtle(プロフ) - 色々とやばかったです、、、。゚(っ´;ω;`c)゚。 (2020年11月30日 23時) (レス) id: ae287d31c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 最高です!義勇好きにはたまりません!最高です! (2020年8月7日 14時) (レス) id: c22bf512a4 (このIDを非表示/違反報告)
リーのアニメ部屋 - アアアアアアアアアア!!千寿郎好きだから感謝!頑張って! (2020年8月5日 3時) (レス) id: 9f28f3c3ee (このIDを非表示/違反報告)
暁明(プロフ) - 銀時さん» 読んで楽しんでくださって嬉しいです。面白いお話作り頑張りますね。 (2020年4月28日 13時) (レス) id: 14dbba7e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ice.11 | 作成日時:2020年3月28日 15時