花鳥ノ手記《飛翔旅団》 (ページ19)

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19話 byリンネページ19

「副団長ー、何見てんの？」

宝を移動させ終わったロンに聞かれる。

『外の戦いだよ、陰獣と幻影旅団の』

そう言った途端にテンションが変わった。

「え、何。見たいんですけども」

んな事言われてもな、

『もうほぼ終わってるよ』

えー、と不満そうな声をあげられるがこれに関しては仕方がない。

『恨むなら陰獣を恨んでくれよ、相手にもならないんだから』

不貞腐れているロンをよそに外を視ていると、、

『ロン、移動しよう』

「どこに？」

『外』

はっ！？と言われるが今は気にしてる場合じゃない。

お嬢と団長の通信機をオンにする。

《あーあー、こちら副団長》

《今から仕掛けましょ》

〈〈！？〉〉

そりゃ驚かれるよなあ、

〈策があるのなら、もっと早く言わぬか！！〉

《すみませんね、たった今出来上がったもので》

通信機の向こうから、呆れた……と溜息が聞こえる。

〈で、それはどんな作戦なのかな？副団長〉

団長が冷静でいてくれて助かるな。まあ、元凶は俺だけど。

《時間が無いので一度だけ、ロンも聞いとけよ》

〈了解！！〉

全員了承してくれたっぽいので話し始める。

《もうそろそろ今潜伏中の梟に幻影旅団が近付いてきます。そこでまずロンに飛び出してもらいましょう》

〈危ないのでは無いかえ？〉

《そこは俺が防ぎます。次に、お嬢と団長で包囲して頂きます。位置は捕捉しましたので空間移動できます。そこはご心配無く》

大丈夫、位置は捕捉できた。今なら範囲内だ。

〈あれ、副団長は？〉

団長さんに聞かれる。

《俺は今回は……今回も援護に徹させてもらいます。あっちにこちらが脅威だという事を示すだけですから。俺が出たら脅威じゃなくなるでしょ》

そう、今回は宣戦布告。俺は如何にして空間を脅威と認識させるかだ。表に出ていく必要がない。

《それに俺は空間を制御しまくった状態では、まだ戦えませんから》

いきなり出てきたらそりゃ交戦にはなるだろうし。

〈〈了解〉〉

お嬢と団長は何を言いたいか汲んでくれたらしく、それ以上は何も言わなかった。

「副団長、俺はここから出たらどうすれば良いです？」

ロンも……顔は納得してなさそうではあるが、とりあえず従ってくれるらしい。

『怪我しない程度に宣戦布告してくれれば良いよ』

「はーい」

よし、

〈《宣戦布告だ》〉