花鳥ノ手記《飛翔旅団》 (ページ15)

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15話 byリンネページ15

数時間前_______

トイレから帰ったロンを連れて、俺達はオークションの宝が保管されている金庫に潜んでいた。

「おおっ、宝めっちゃあるな……！！

…………内緒で売ったら幾らになるかな」

隣から問題発言が聞こえたが、俺がいる限り実行は出来ないので聞こえなかった事にしておこう。

『にしてもまぁ…、随分と貯め込んだなあ』

辺りを見回すとレアそうな宝がそこら中に転がっている。

「副団長ー、さっさと宝持ち帰ろうよ」

そうだな、と言いかけたその時。

ギィ、と音がして金庫の扉が開いた。

咄嗟に能力で2人分の存在を隠し、入ってきた人物を見る。

((……あれは、梟だな))

(梟…あれがデータベースに載ってた、、、？？)

そう、俺達はオークションに十老頭が参加する事は知っていたため、とある手段で兵力を調べておいたのだ。

(副団長、陰獣って随分弱そうなんですね)

((そう言ってやるなよ、ダンチョーさんやお嬢を見たらどいつもこいつも弱く見えるだろ))

どうでも良いような事を駄弁りながら梟の様子を見ていると、奴はポケットから布を取りだした。

(あ、あれ知ってる。確か、フロシキってやつだ)

そして梟は宝を全てそのフロシキに入れ、金庫から出て行ってしまった。

あれは、念能力だな。そう思うと同時に、練り上げていた案が自分の中で確定した。

「副団長、お宝持ってかれましたよ！？」

能力を解くと、鬼の形相で言われた。コイツ、こんなに守銭奴だったか……？？

『とりあえず、掻っ攫いに行くか』

全然動じていない俺にロンは少し驚いた表情を見せる。

自分が持ち去った筈のモンが無くなってたらどんな顔するかねと言ったら、案外性格悪いんですねと返された。

まぁ、人が自分の物だと思っている物を奪うって、とても楽しい事だから。

口には出していないものの、きっと口角は上がっている。

『幻影旅団じゃなく、俺達が世界を引っ掻き回そう』

外套を翻し、ロンの視界を遮る。

外套で視界が開けたら、そこはもう宝の山。

___そう、此処は

「梟の……空間？？」

『Richtige Antwort(正解)!!』

そう、俺が正にそう言った時、

『_________ん？誰？』

通信が入った。