ロケット団でスクールの生徒です【ポケモン】 (ページ22)

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20.もっと速くページ22

『カプゥーコッコ！！』

なんて稲妻のような速さで現れた守神から威嚇しながら言われた日には、ゴーストタイプのポケモンの巣窟で一夜越したときより冷や汗がドッとでた。急いでランクルスをボールに戻す。

伝説級では無いにしてもアローラの中でトップクラスの力を持つポケモンが相手なのだ。しかもジャリンコ共ときたら、

「カプ・コケコ！」
「助けに来てくれたのか！？」

希望に満ちた顔でそんなことを言う。え？なんで顔見知りみたいなの？わけわからん…。とか言ってる場合じゃ無い、さすがに分が悪過ぎる。それにここでりゅうのはどう以外の技を使えばこのサザンドラがAのものだとバレてしまう。

洗脳されてる設定は最近ベタなので使えないかもしれないし、なによりルシエの私に向けられる敵意が多すぎる。

某ロイヤルマスクがどこまでの実力か分からないし、他の島キングとクイーンたちの実力じゃも怖い。サトシは島巡りをしているだろうし口聞きも出来るはず。真面目にこいつ(ありがたーい守神)と戦うのはリスクが高い。

よって、
「撤退！」
予定は変えずに逃げるのである。む、上から気配…でんき技か……。

「ピカチュウを放していい！急ぐぞ！」

指示をしっかり聞けるサザンドラが、動きの妨げになる脱力してるピカチュウを放す。退化した足とバランスを取るのに必要な尻尾が自由に使えるようになったサザンドラは、わたしを乗せて風のように空を駆ける。他のサザンドラと比べてすばやさがあまり無いサザンドラは、カプ・コケコのタイプにフェアリーがあることも相まって相性が非常に悪い。

こういう時がトレーナーの腕の見せ所である。ピカチュウの10まんボルトのダメージも心配なので、鞄の中からすごいキズぐすりとスピーダーで逃げるのに必要な体制を整え、スペシャルガードとディフェンダーで防御を底上げする。ダメ押しに一番心配なフェアリー技対策にロゼルのみをいつでも渡せるように持つ。

一時的に普段以上の力が出せる合法のどうぐだ。それらをフル活用して後はとにかく逃げる。どこかに洞窟があればそこに逃げ込んであなぬけのひもで近くのポケセンに移動するのだが…！

しかしさすがは素早い守神、とても速い。リザードンやウォーグルはもういないがすばやさをあげたサザンドラが追いつかれそうになる。焦ってきた。こんな時こそ深呼吸。

さっきまでいた爪あとの丘はスクールと近い。だからこのまま北に向かえば海つなぎの洞窟がある……！