＊ ページ39
「……いつからいた？」
「ほぼ始めからだよ。慣れてんな」
「的が動かないシューティングゲーみたいなものなんで」
別にAはゲーマーではないが、ある程度は嗜んでいるほうだ。置いてあればゲーセンにも射的の台はあるし、設定がだいぶキツい。それに比べたらこれくらいできるような気がしても当然だろう。
もう１度弾を込め、銃口をぬいぐるみの尻尾に向ける。やはり位置はほぼ完璧だ。
「でも少し外すんだよね。ピンポイントに当てれはしないっていうか」
「手のブレじゃないか？少し貸してくれ」
ここは素直に頼むのが適策だろう。Aは位置がズレないよう銃を支え、三ツ谷に場所を代わる。彼は迷わず引き金を引き、パンッ＿＿と渇いた音を鳴らした。
瞬間、ぬいぐるみが後ろに落ちる。屋台のおじさんは残った弾数にギョッとしたが、笑顔でぬいぐるみを拾い渡してくれた。近くで見たらものすごく可愛い。狐は人を化かすと言うが、こんなに可愛いなら化かされても良いと思う。
「ありがと…！すごいな三ツ谷君」
「位置が完璧だったからだよ。オレは撃っただけ」
「でも獲ってくれたやん。私だけならもう数十円使ってたよ」
「あのさー、」
ハイテンションになって２人の世界に入ろうとしているAを止めるため、マイキーがつまらなさげに呼びかけた。空はもう夕陽が沈み、来てからだいぶ時間が経ったことを告げている。
「弾余ってんならねだっていい？」
「ん？ええよ。何欲しい？」
「あれ」
ぴっとマイキーが指差した先には、倒してくださいと言わんばかりのお菓子の山があった。あれなら余裕だろう。なんなら弾が余りそうだ。……ちなみに、これは彼女だから言える台詞である。
「残弾７発……か。皆は？」
「……オレ、らも……？」
「遠慮せんでええよ。あの山崩すなら７発も使わないと思うし」
「じゃあ……あそこの猫欲しい」
「オッケ、柚葉さんは猫ね。ちょっと手強そうだからあとは締め切りまーす」
「じゃあ100円出せば良いんだな？」
「……それは考えてなかったわ」
結局、100円積まれて欲しいものを獲らされた。楽しかったので良しとする。
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甘川カズ子(プロフ) - コメ欄が最高すぎたので読もうと思いますありがとう☺️ (9月1日 10時) (
レス) id: 78f9ccd2f5 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - クッソイケメンじゃん。聞いてねぇよ。まさかめちゃくちゃイケメンとは、思わんやん。やべぇ好きだわ… (2021年7月30日 17時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望：我妻さん(プロフ) - 柳さん» おつかれサマンサ(違うそれは別のネタ) (2021年7月30日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 堕ちたわ。うんもう、夢にまで出てきた。 (2021年7月30日 17時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望：我妻さん(プロフ) - 『夏祭り』が終わったら続編いきます (2021年7月28日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時：2021年7月22日 13時
