夏祭り ページ37
８月３日。東卍が集会場所としている武蔵神社で夏祭りがあるという知らせを聞いた。わざわざ呼ばなくても皆来るだろということだろうか、特に連絡は入っていない。
せっかくなので浴衣を着ようとタンスを開けた。……しかし、あまり遠出をしないAが浴衣など持っているはずもなかった。あるのは巫女服、装束、袴等々。偏りすぎてもはや悲しくなってくる。
「いや……いや、まだいける。ちゃんと着れるデザインだしいける……いける、はず」
黒い糸で縫われた、袖の長い白の巫女服。次に、紅い糸で彼岸花の刺繍が施された黒い袴風膝上スカート。足の露出を抑えられる、スカートと同じ彼岸花が側面に施された黒のハイソックス。突貫工事で作った組み合わせだが悪くはないだろう。
下駄も漁ってみたら同じような色の物が出てきた。中指にリングを通すタイプの黒い手袋もある。コスプレをする人間で本当に良かった。
あとは髪形だが、緩く一本に編み込んで後ろで結ぶことにした。三ツ谷ほど上手くはできないが、Aにだってオタの意地というのものがあるので一応できる。実際、だいぶ綺麗に結べていると思う。
「こんなもんかなぁ」
紅い巾着に扇子と財布を入れ、ドアを開ける。夕陽が沈む前の微妙な空だ。武蔵神社から見る夕焼けは絶景で大好きなので、この調子ならきっと見れるだろうと気分が昂ってくる。
近所の人々も浴衣を着て、武蔵神社へ向かっているようだ。混んでしまう前に行かなくては。Aの足取りは自然と速くなり、武蔵神社までの道のりを悠々と駆けていった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
武蔵神社に着くと、階段の下に見覚えのあるバイクが何機か並んでいる。自転車もいくつか。もう皆来ているようだ。階段に足をかけたところで、バブ〜と特徴的な排気音が聞こえた。
振り返ると、甚平姿のマイキーが棒付きキャンディをくわえて
「Aも今来た感じ？」
「そんなところやね」
「じゃあアイツらがどこにいるか知らないかぁ……。そーだ、見つかるまで一緒に廻らね？」
「いーよ。行こっか」
Aはマイキーと階段を上がり始めた。
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甘川カズ子(プロフ) - コメ欄が最高すぎたので読もうと思いますありがとう☺️ (9月1日 10時) (
レス) id: 78f9ccd2f5 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - クッソイケメンじゃん。聞いてねぇよ。まさかめちゃくちゃイケメンとは、思わんやん。やべぇ好きだわ… (2021年7月30日 17時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望：我妻さん(プロフ) - 柳さん» おつかれサマンサ(違うそれは別のネタ) (2021年7月30日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 堕ちたわ。うんもう、夢にまで出てきた。 (2021年7月30日 17時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望：我妻さん(プロフ) - 『夏祭り』が終わったら続編いきます (2021年7月28日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時：2021年7月22日 13時
