夜の皇帝となれ３ (ページ5)

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「待って」

加茂の提案にストップをかけたのは西宮だった。

「虎杖君と狗巻君が一緒にいたらどうするの？呪言師を前にガン首揃えるのは少しリスキーだよ。最悪一網打尽にされちゃうんじゃ」

「たしかにナ…」

「いや、あれは来ると分かっていればそこまで怖いものじゃない」

ということは、何かしらの対策はあるのだろう。しかし、脅威はそれだけではない。

「あの……宵蔵さんは？あの人、術師相手だとものすごく強いんですよね？しかも遠距離攻撃が多いらしいし……」

「大丈夫。遠距離攻撃なら、居場所さえ割れたらこっちのもんだよ」

「真希は私にやらせて。できれば茶髪の１年も」

「その発言、東堂と同レベルだよ」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

五条と庵は一旦席を離れ、茶を片手に別室にいた。庵が飲んでいた茶を置き、問う。

「話って？」

「？なんでキレてんの？」

「別にキレてないけど」

「だよね。僕何もしてないし」

庵の頬にピキッと青筋がたった。庵のストレスが五条である理由の１つがこういうところだろう。

「高専に呪詛師…或いは呪霊と通じている奴がいる」

「！！有り得ない！！呪詛師ならまだしも呪霊！？」

「そういうレベルのが最近ゴロゴロ出てきてんだよね。本人は呪詛師とだけ通じてるつもりかもね」

五条を襲った特級呪霊、漏瑚と花御。セラータ・ファミリーの構成員と虎杖、七海を襲った真人。

他にも、本来ゴロゴロと出てくるハズがない等級の呪霊達の情報が相次いでいる。数多の情報から、そういう考えに至ったのだろう。

「京都側の調査を歌姫に頼みたい」

「……私が内通者だったらどうすんの？」

「ないない。歌姫弱いしそんな度胸もないでしょ」

庵が怒り任せに湯飲みを投げた。それを無下限で弾く五条。こういうところも庵のストレスが五条である理由の１つ。

「怖っ！！ヒスはモテないよ？」

「私の！！方が！！先輩なんだよ！！」