夜の皇帝となれ ２

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所変わって談話室内。京都校の学長、楽巌寺嘉伸はソファに座り、ずっと待たされていた。


「夜蛾はまだかのぉ。老い先短い年寄りの、時間は高くつくぞ」


「夜蛾学長はしばらく来ないよ。嘘の予定(スケジュール)を(伊知地を脅して)伝えてあるからね」


そう言って談話室に入るなり、足を組んでソファに座ったのは五条だ。()の中は見なかったことにしておこう。


「その節はどーも」


「はて、その節とは」


「とぼけるなよジジィ、虎杖悠仁のことだ。保守派筆頭のアンタも１枚噛んでんだろ」


上層部の策略で虎杖は死んだ。楽巌寺はモロその上層部であり、何も噛んでいないわけがない。嫌な信頼からの言葉だ。


「やれやれ最近の若者は。敬語もろくに使えんのか」


「ハナから敬う気がねーんだよ。最近の老人は主語がデカくて参るよホント」


「ちょっと。これは問題行動ですよ。然るべき所に報告させてもらいますからね」


そう言ったのは京都校の２年生、三輪霞。表こそそう言っているが、裏はこうだ。


(ヤッベー！！生五条悟！！生五条悟だ！！)


ご覧の通り、数少ない生粋の五条ファンである。そりゃ呪術師が憧れるのは五条だが、"生粋の"が付く五条ファンは少ない。それはもう本当に。


性格以外パーフェクト。その性格が駄目すぎる余り、誰も心の底から五条を敬わないのだ。後輩であっても、生徒であっても。


「ご自由に、こっちも長話する気はないよ」


(喋っちった！！喋っちった！！)

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