底辺 ページ5
「落ちこぼれはお互い様だろ」
倒れた釘崎とイライラした宵蔵を横に、双子はそれぞれの獲物(武器)を持ち向かい合う。
感動も喜びもない、久しぶりの対面だった。
「オマエだって物に呪力を篭めるばっかりで、術式もクソもねぇじゃねぇか」
「呪力がないよりましよ。上ばかり見てると首が痛くなるから、たまにはこうして下を見ないとね」
「あーやめやめ、底辺同士でみっともねぇ。野薔薇!!立てるか!?」
「……」
真希が呼び掛けるが、返事も動く様子もない。
「無理よ、しばらく起きないわ。それなりに痛めつけたもの」
少なくとも5発は撃ってある。それだけ撃ち込まれれば、起きれないのが当然だという自信からの言葉だった。
真希は手に持った長物を、宵蔵はゴムナイフを真依の鼻先につき付けた。後ろでゆっくり立ち上がった釘崎に、真依は気づいていないらしい。
「何?やる気?」
釘崎が勢いよく真依に飛び付いた。首を両腕で、左手と腰を両足で締め上げられ、真依は身動きがとれなくなった。
「ナイスサポート、真希さん 帝夜姉。おろしたてのジャージにばかすか穴空けやがって。テメェのその制服置いてけよ、私の夏服にしてやる」
「次は体の穴増やしてやるわよ。あと その足の長さじゃ、これは着れないんじゃない?」
(おとす!!)
釘崎が締め上げる力を強くした、その時。
「帰るぞ、真依」
「なっ」
傷1つ負っていない東堂が、頭を掻きながら現れた。傷1つ負っていない、それが表すのは伏黒の敗北のみ。
「嘘やろ…バケモンか」
「そんな、伏黒は…」
「大丈夫だ、パンダ達がついてる」
「楽しんでるようだな」
「冗談!!私はこれからなんですけど」
腹ただしげに、リロードをする真依。締め上げられた礼も、真希と宵蔵との勝負もできていない。
納得がいかないのだ。釘崎に動きを封じられたことも、真希に底辺同士と一緒にされたことも、宵蔵に水を差されたことも。
「駄目だ。オマエと違って、俺にはまだ東京に大事な用があるんだよ。
高田ちゃんの個握がな!!」
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柳(プロフ) - 匿名希望:我妻さんさん» あっ、ありがとうございますぅ(ニコニコ)ほら行くぞ麗音(お姫様抱っこ) (2021年4月8日 2時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 柳さん» どうぞどうぞ(ニッコリ) (2021年4月8日 1時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 匿名希望:我妻さんさん» はいそうです。お持ち帰りするね() (2021年4月8日 0時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 柳さん» ご注文は麗音ですか? (2021年4月6日 16時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 匿名希望:我妻さんさん» おぉ!マジか!!楽しみにしとく!! (2021年4月3日 14時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望:我妻さん | 作成日時:2021年2月20日 19時