夜の皇帝となれ２ (ページ16)

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「……で、結局なんの通販なんだ？はぐれ呪詛師なら蠅頭程度の呪霊を祓う道具でぼったくったり、他人を呪って小遣い稼ぎをしてそうなもんだけど……その程度の相手で七海が呼ばれやしないだろ」

「確かに。その程度ならセラータも動かへんよ」

「察しのよろしいことで」

「誰と会話してるのか考えて言えよ。オマエが呼ばれてるのに僕達が詳細を知らされてないなんて、お偉方のジジイが隠したい案件だったってことだろ」

「だとすれば、私が"詳細を話すのを禁じられている"という可能性も考えられるんじゃないですか？」

「関係ないだろ。僕がその気になったら口を割らせるなんてワケないからね。帝夜なんてその道のプロでしょ？

奴らにできるのはせいぜい"事件そのものを知られないようにする"ことくらいだ。ってことは僕達がここに来た時点で詰んでるだろ」

「毎度思うのですけど、それだけ頭が回るなら、説明しなくても自分で調べてほしいのですが」

「不可能でなくても面倒なことは、後輩を使うのが１番手っ取り早いんだよ」

「控えめに言ってアカン先輩やね」

「……はぁ……」

七海のため息は長かった。別に詳細を話すことを躊躇っているわけではないが、ただただ横暴な先輩呪術師に対してため息を吐きたかった。

吐ききった息を吸いこんで、七海はようやく事件の核心に触れることにした。

「＿＿死者の蘇生です」

「……は？」

「……なんて？」

五条と宵蔵は珍しく、耳を疑った。

それほどバカげたことを、七海は言った。七海自身もそれを自覚しているから、口調に疲れが現れた。