夜の皇帝となれ２ (ページ2)

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退屈ページ2

「なんで初対面のアンタと、女の趣味を話さないといけないんですか」

やる気満々に構えた東堂に対し、伏黒はドライに聞いた。誰だってそうなるだろう。

「そうよムッツリにはハードル高いわよ」

「オマエは黙ってろ。ただでさえ意味分かんねー状況が余計ややこしくなる」

「京都３年東堂葵、自己紹介終わり。これでお友達だな、早く答えろ男でもいいぞ。

性癖にはソイツの全てが反映される。女の趣味がつまらん奴はソイツ自身もつまらん、俺はつまらん男が大嫌いだ。

交流会は血沸き肉踊る俺の独壇場。最後の交流会で退屈なんてさせられたら何しでかすか分からんからな。俺なりの優しさだ、今なら半殺しで済む。

答えろ伏黒、どんな女がタイプだ」

なるほどよく分からん。だが女の趣味を聞くことが東堂なりの優しさだと言うのなら、答えるのが誠意だろう。イマイチ理解できないが。

しかし、宵蔵が東堂のタイプであることには驚きだ。宵蔵は絵に描いたようなボンキュッボンの高身長。大人の女であることを見せつけられる。

まあそれはどうでもいい。どうせ宵蔵には五条という決められた相手がいるのだから。

「アレ夏服か？ムカつくけどいいなー」

「野薔薇も思った？涼しそうよな」

「何だコレ大喜利かよ」

(釘崎も宵蔵さんも丸腰だ。揉め事は避けたい…)

伏黒の脳裏に姉の姿が映った。「人を許せないのは悪いことじゃないよ。それも恵の優しさでしょう？」そう言って笑う姉の姿が。

「別に、好みとかありませんよ。その人に揺るぎない人間性があれば、それ以上は何も求めません」

「悪くない答えね。巨乳好きとかぬかしたら私が殺してたわ」

「うるせぇ」

「恵らしゅうてええんちゃう？」