夜の皇帝となれ １

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「なんだ、いつにも増して辛気臭いな、恵。お通夜かよ」


「禪院先輩」


禪院先輩と呼ばれたのは、緑がかった黒髪をポニーテールにし、紫の眼鏡をかけている女。宵蔵とはまた違ったケースを背負っている。


「私を苗字で呼ぶんじゃ＿＿」


「真希、真希！！」


真希を呼ぶ声は、近くの木の裏から聞こえた。そこに居たのは、口元を襟で隠した男とパンダだ。釘崎と宵蔵は信じられないその光景に、口をあんぐりと開け固まった。


「まじで死んでるんですよ。昨日！！１年坊が１人！！」


「おかか！！」


「は、 や く、 言 え や」


真希は汗をダラダラと流し、２人(？)に怒鳴る。


「これじゃ私が血も涙もねぇ鬼みてぇだろ！！」


「実際そんな感じだぞ！？」


「ツナマヨ」


軽く言い争いが起こっているが、釘崎と宵蔵の頭は状況を読み込みきれていない。


気が強そうな真希、喋るパンダ、具の名前しか発していない男。キャラが濃いことはわかるが、逆を言えばそれしかわからないのだ。


「キャラ濃いし強いな」


「何、あの人(？)達」


「２年の先輩。禪院先輩、呪具の扱いなら学生一だ」


「甘やかすだけが優しさかね」


２年生唯一の女、禪院真希。


「呪言師、狗巻先輩。語彙がおにぎりの具しかない」


「すじこ」


短髪で小柄の男、狗巻棘。


「パンダ先輩」


「でも憂太といる時は少し丸くなるよな〜」


パンダ、以上。１人(？)だけ説明少なくなかったか？という質問は受け付けない。


「あと１人、乙骨先輩って唯一手放しで尊敬できる人がいるが、今海外」


「あー例の憂太クンね」


「アンタ、パンダをパンダで済ませるつもりか」

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