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「A！元気そうで安心したよ！」
「二人のおかげよ。私とジニーを助けてくれてありがとう。」
ハリーとロンは照れながらも満足そうに笑った。
「ハーマイオニー、戻ってきてくれて嬉しいわ。」
「私もよ。それに、仲直りできたのね！」
「うん。」
ハーマイオニーはフレッドとジョージをチラッと見て言う。
今度はAが照れていた。
そこでふと、リドルのことを思い出した。
「…ねえ、ハリー、話があるの。」
「僕？いいけど。」
「ごめん、ちょっと二人にさせて。」
フレッドたちににそう伝えると、四人はそれぞれの寝室に入っていった。
Aとハリーは暖炉の前のソファに座る。
「それで、話って？」
「ハリーは、リドルに会った？話した？」
「トム・リドル？うん。話したよ。」
やっぱり、このことは彼にしか聞けないだろう。同じくリドルと対面した、彼にしか。
「私、彼に、共通点が多いって言われたの。学校生活のこととかの、血と生まれ以外のところで。私、“例のあの人”と共通点が多いなんて言われて…情けないんだけどすごい怖いの。私も彼みたいになる可能性があるって言われてる気がして。」
ハリーはAも同じように言われていたことに少し驚いたが、すぐに納得した。
たしか、彼は容姿端麗、成績優秀な生徒だったという。そういう点はAも同じだった。
「僕もヴォルデモートに言われたよ。混血で、孤児で、マグルに育てられた。パーセルマウスで見た目もどこか似てるって。でもね、あいつはスリザリンで、僕はグリフィンドールだ。それは、僕が組分けの時、帽子に頼んだからなんだ。」
ハリーは彼女の目を見ながらはっきりした口調で続けた。
「ダンブルドアが僕に言ってくれたんだ。そういうところが、あいつと僕の違いだって。自分が本当に何者かを示すのは、能力じゃなくて自分がどんな選択をするかなんだって。」
「どんな選択をするか…」
「うん。だから、僕はAとあいつは違うと思う。君はどれだけ周りの信頼を集めたとしても、それを悪事に利用することなんかしないし、無実の人に罪を着せることなんてしない。」
「あの人、そんなこともしてたの？…考えられないわ。」
「じゃあ、君はあいつとは違うよ。」
「…ありがとう、ハリー。」
ハリーが笑顔で断言すると、Aも笑って彼に感謝した。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
