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ジョージも手を握り、優しい声でそう言った。
「いくらでも愚痴を聞くし、不安になった時にはそんなの忘れちゃうぐらい褒めてあげる。君がすごい魔女だっていうことは、僕らが一番知っているんだから。」
「そんでもっと楽しもうぜ。せっかくいろんなこと教えてもらえるんだからさ。」
「うん。そうね。」
確かにこの一年、勉強を楽しむことを疎かにしていたかも、と気づかされた。
「…私の弱いところ、たくさん見ても失望しないでね？」
双子は一瞬、キョトンとし、すぐにパッと笑顔になった。
「するわけないだろ？」
「むしろ、もっと好きになる！」
「嬉しいな。じゃあ、二人ももっといろいろ話してよ。もうあんな風になりたくないから。」
「かっこ悪いかもよ？」
「そんなところも好きになるわ。」
三人は笑顔で顔を見合わせる。
手を握っていたフレッドの手がするすると動き、Aの頬に添えられた。
「A、こっち向いて。」
その声と、彼の目に熱がこもっているのが伝わってきた。これから、何をする気なのかも。
Aはフレッドの方に顔を向け、目を閉じた。
フレッドが近づいてくるのを感じ、そっと、彼の少しかさついた唇が重ねられた。
フレッドが離れると、反対からジョージもAの顔に触れ、優しく自身の方を向かせる。
もう一度、目を閉じるとジョージに口付けられた。
一瞬だけの2回のキス、ただそれだけだったが、今までにないぐらい幸せだった。
「ふふっ」
Aは口元に手を当てながらその幸せを噛みしめる。
フレッドもジョージも同じ気持ちで、彼女の肩に頭を乗せ、体をぴったりくっつけた。
顔が火照っていた三人は、夜風の冷たさが気持ち良く感じた。
**
「それにしても、なんでそんなに、在学中に動物もどきになりたいんだ？」
寮に戻る途中で、フレッドに聞かれた。
Aは少し考え、答える。
「前はただ動物もどきになる事が目標だったんだけど、今は動物もどきになる事は過程の一つにすぎないと思ってるの。」
「過程？なんの？」
「それは今はまだ内緒。もっとはっきりしてから言うわ。」
「え〜早速隠し事かい？」
「ネガティブなことじゃないわ。これに関しては、もっと自信をもって言いたいの。必ず、いつか言うから。」
「じゃあ、その時を待つことにするよ。」
合言葉と共に、談話室に入る。
そこには、ロンとハリー、ハーマイオニーがいた。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
