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ロンに呼ばれて、フレッドとジョージは廊下を走る。目的地は医務室だった。
それは、つい数分前のことだった。
フレッドたちの部屋に、ロンが飛び込んできたのだ。
「フレッド！ジョージ！」
「…ロン、どうしたんだよ。」
「Aとジニーを連れ戻したんだよ！早く医務室に！！」
「おいおいもっと早く言えよ！行くぞ！」
走っている途中に聞くと、ジニーはケガはしていないが、気が動転しているらしい。Aは石にされたが、すでに蘇生薬ができていてすぐに戻せるとのことだった。
勢いよく扉を開けると、ジニーに寄り添うモリーとアーサー、一つのベッドのそばに座るオークリーとエラ、キースがいた。そして石にされていた生徒達が起き上がっていた。
慌ただしい三人を、マダム・ポンフリーは叱る。
「もっと静かに入ってきなさい！ここは医務室なんですから！」
「ごめんなさい。ああ、よかったよジニー。元気か？」
「うん…もう、落ち着いたわ。」
「そりゃよかった。」
明るい表情を見せたジニーの頭を優しく撫でて、二人はAのベッドに近寄る。
「Aは？」
「さっき、マダム・ポンフリーがマンドレイクのジュースを飲ませてくれたの。皆より飲むのが遅かったからまだ目覚めないけど、目を覚ますのにあまり時間はかからないと思うわ。」
「酷く怯えた顔で、石になっていたんだ。きっと、『秘密の部屋』で怖い思いをしたのだろう…。」
Aは目を閉じて、安心した顔で眠っている。
二人は恐る恐る手を伸ばし、髪と顔を撫でる。
髪はさらさらと動き、肌からはしっかりと体温が伝わってくる。それに酷く安心した。
「さあ、みなさん！せっかく秘密の部屋の事件が解決したのです。これから宴会ですよ！」
マダム・ポンフリーは軽く手を叩きながらそう言った。
フレッドとジョージはAのことが心配だったが、エラたちに宴会を楽しんでおいでと言われたので、ジニーとロンたちと一緒に大広間に行くことにした。
**
意識がゆっくりと覚醒していく。自分の顔を覗き込む母と父と兄がいた。
「A！ああ、よかったわ！」
「お母さん？お父さんに、キースも…私…秘密の部屋にいたはずじゃ…。」
「ハリー達が、Aとジニーを助け出してくれたんだ。石にされていたけれど、先生方の薬で治すことができた。」
「リドルは？」
「…事件は解決した。ハリーとロンのおかげでね。」
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
