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「ジニー？どうしたの？」
「え、えっと…朝、気づいたらいなくなってて、聞いたら体調悪いって…だから、その、お見舞いに…。」
ジニーを部屋に入れ、自分のベッドに座らせる。Aもその隣に腰掛けた。
「ああ、朝は勝手に部屋に帰っちゃってごめんね。ありがとう、ジニー。少し寝たおかげで少し気分がよくなったわ。」
「ああ、それなら良かった…。」
「でも、もう授業が始まっている時間でしょう？何かあった？」
「…」
ジニーは本を見つめたまま黙ってしまった。少しして深呼吸をし、話始めた。
「…皆を襲ったの、あたしなの。だけど、あたしじゃなくて…この日記の、トム、トム・リドルがっ！」
「ジニー落ち着いて。大丈夫、ちゃんと聞いてるわよ。」
髪を撫でてあげながら、優しく伝える。ジニーは少し落ち着き、再び、整理しながらゆっくり話し始めた。
「この日記、ママが準備してくれた本の中にあったの。誰かが忘れたんだろうって思ってた。よく表紙を見たら
ジニーは日記の表紙をなぞる。そこには確かにその名前が書かれていた。
「日記に何か書いてないかってペラペラ見てたんだけど、何も書いてなくて。どうしようって思ったとき、インクのボトルに手が当たっちゃったの。それで、この日記にもインクが飛んだんだけど…消えたの。」
「消えた？」
「うん。スーって、しみこむみたいに。びっくりしちゃって、インクを落としてみたりしても、同じように消えていった。それで、試しに書いてみたの。『この本は何？』って。」
「そしたら、あたしが書いた文字が消えて、別の文字が浮かび上がったの。『これは僕の日記です』って。この、リドルが返事をくれたの。」
まるで本が意識を持っているようだ。ただ、素直に信じることはできない。
Aのそんな考えを感じたのだろう。ジニーはAの机に置いてあった羽根ペンで、文字を書き始めた。
「おはよう、トム」とジニーが書いた文字は消えていき、代わりに「おはよう、ジニー」という文字が浮かび上がった。
それを見て、「わあ…」と声が漏れる。
「ごめん、疑って。」
「ううん。信じられなくて当然だわ。…それから、あたし、いろんなことを彼に話したの。心配事とか愚痴とか、ハリーのこととかも。そしたら、リドルは返事をくれたり、優しく慰めたりしてくれた。」
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
