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テストが始まる3日前、その日はすっきりと目覚めることができなかった。少しぼーっとしながら起き上がると頭が痛んだ。
やばいかも、と思いながら制服に着替えるが、その最中も軽いめまいに襲われていた。
寝不足の時の症状だった。睡眠時間は問題ないはずなので、眠りが浅くなっていたのだろう。
同室のアンジェリーナとアリシアは一目でAの顔色が悪いのが分かった。
「A、顔色が悪いわよ？大丈夫？」
「うーん…あんまり気分がよくなくて。とりあえず朝食は食べに行くよ。」
「無理そうだったら休んでいいんだからね？」
「うん。ありがとう。」
階段を下り、皆と一緒に談話室から大広間に向かう。
ジニーの隣に座り目の前に置かれたオートミールをつついていると、マクゴナガル先生が良いお知らせがあると発表した。
「ダンブルドアが戻ってくるんだ！」「スリザリンの継承者を捕まえたんですね！」「クィディッチの試合が再開されるんだ！」…ウッドなどの生徒たちは口々に歓声を上げる。
やがて静かになると、マクゴナガル先生がその内容を話し始めた。
「スプラウト先生のお話では、とうとうマンドレイクが収穫できるとのことです。こんな、石にされた人たちを蘇生させることができるでしょう。」
Aは安堵のため息を漏らす。
これで、ハーマイオニーもコリンも皆、元に戻るのだ。
「言うまでもありませんが、そのうちの誰か一人が、誰に、または何に襲われたのか話してくれるかもしれません。私は、この恐ろしい1年が、犯人逮捕で終わりを迎えることができるのではないかと、期待しています」
マクゴナガル先生の話を聞きながら、ゆっくりとオートミールを口に運ぶ。しかし、2、3口は食べれたが、それ以上食べる気になれなかったので寝室に戻ろうと席を立つ。どうせ授業を受けても集中できないだろうから、二人に言われた通り、今日はゆっくり休むことにした。
引率の先生に連れられて寮に行く。
寝室に入ると、ローブだけ脱いでベッドに寝転んだ。
すぐに眠気に誘われ、瞼が重くなっていく。Aはそれに逆らわず、そのまま眠りに落ちていった。
**
コンコンと響いたノックの音で目が覚めた。
ドアを開けるために起き上がると、頭痛は治まっていた。めまいは少しあるが、先ほどよりは随分よくなっていた。
ドアを開けると、そこには黒い本を抱え、怯えた表情をしているジニーが立っていた。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
