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「…Aとは夕食後に話すようになったり、一緒に過ごす日を決めたりしたけど、去年あたりから、特に今年に入ってからは勉強ばっかするようになってて…ちょっとそれがつまらなくって。」
「まあ、それでも約束は守ってくれてたから何も言わなかったんだけど、クリスマスの前日、夕食後、あいつはジニーたちと女子寮の方に行っちゃって、朝まで降りてこなかった。」
二人の話をリーは黙って聞いていた。
「だから、ちょっとした意地悪のつもりだったんだ。朝会ったら、ちょっとそっけなく接することでAにもちょっと寂しい思いさせて、僕たちの気持ちをわかってもらって、あとでちゃんと仲直りする。そういう計画だった。」
「でも、いざそっけなくしてみたら、それ以降寝室から出てこなくなっちゃった…。」
「その計画が最悪だな。」
リーは眉を寄せて自分の感想を正直に言った。
「今となってはそう思うよ。僕たちが嫌だったことを彼女にもしてしまった。」
「あんな態度はとったことなかったから、相当傷つけてしまったと後悔してるよ。」
「…で、なんでまだ謝れてないんだ？」
「休暇が終わってすぐのころは、多分避けられてた。声を掛けようとしたけど、たまたまかわざとか、その度に逃げられたんだ。そんなことが1か月、2か月…と続くと、今度はどうやって声を掛けたらいいのか分からなくなってた。」
「自然と距離ができてて、お互い別々に人間関係が広がって…。仲直りしたいと思いつつ、別に僕らはAにとって必要じゃないのかもしれないって考えたら、話すのが怖くもあるんだ。」
二人の話を聞いて、リーは少し考えた。
以前尋ねた感じからして、Aは二人を嫌っているわけではなさそうだった。
ただ、この状況をどうにかしたいと思っていたものの、その方法が分からなかった。
Aも目の前の双子も、同じようなことを思っていたということだろう。
三人にまず必要なのは、三人で話せるきっかけだろう。それさえあれば、少しはましになるはずだ。
そう考え、二人の目をしっかり見て言う。
「Aにはお前たちが必要なはずさ。お前らの親友の俺が保障する。俺が三人で話せるようにしてやるから、ちゃんと謝って来いよ。」
「…ああ、そうだな。いい加減、ちゃんと話さないと。」
「ありがとうな、リー。」
「ウジウジしてるのはお前たちらしくないからな！」
リーがニカっと笑ったのを見て、双子も笑みがこぼれた。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
