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談話室はいつも混みあっていた。みんな、そこしか行き場がなかったからだ。
ジニーはハーマイオニーが気に入っていた席に座っていることが多かった。ひどく落ち込む彼女とは正反対に、フレッドとジョージはハリーやロンたちと爆弾ゲームなどをしてはしゃいでいた。
集団行動を強いられ、自由に出歩くことは許されない。トイレさえも。図書室に行くこともできず、談話室は以前よりも騒がしくなったため、静かに勉強できるのは寝室しかなかった。
授業がある時以外は一人で自由に行動してることの多かったAは早くもこの窮屈な生活にうんざりしていた。
しかし、その不満を口にはしなかった。
多くの生徒、あの優秀な親友でさえ石にされた。そして、ホグワーツの12人の理事はそれを防げなかったとしてダンブルドア校長に停職処分を下したという。このような状況において、このような対処は仕方のないことだと分かっていたから。
5月の終わり頃、魔法薬学の授業でスネイプ先生が発表したことに、その教室にいたA以外の生徒は落胆した。
「一週間後、6月1日からは例年通り、期末試験が行われる。常日頃から予習復習をしっかり行っている諸君を心配する必要はないだろうが。」
スネイプ先生はそう言うとフレッドとジョージをちらりと見て、黒板に向かった。
Aの隣に座るアンジェリーナは「こんな状態になっても試験は行われるなんて…」と軽く頭を抱えた。
Aは勉強の内容を期末試験に向けて見直さなきゃだな、と考えながら授業を受けた。
**
フレッドとジョージはリーと一緒に寝室で数日後から始まる試験のために勉強をしていた。
リーはジョージにわからないところを教えてもらっていた。
「…お前の説明、ちょっとわかりにくいな。」
「なんだその言い草は。もう教えてやらないぞ」
「ごめんごめん…。」
Aの説明はもっとわかりやすかったな…と思って、この場に彼女がいないことが寂しく感じた。
「これからどうする気だ？」
唐突にそういったリーに対して、双子はテスト勉強のことかと思って答える。
「とにかくこの教科は今日中に終わらせて、明日は初日の科目の勉強だな。」
「そうじゃない。Aのことだよ。」
Aの名が出て、双子は黙り込む。
リーは双子に原因を尋ねるもはぐらかされてきたので、まずそこから聞くことにした。
「そもそも、なんでこうなっているのか教えてくれよ。」
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
