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Aにとって、その日は散々だった。
授業中に小人たちが乱入し、バレンタイン・カードを配っていた。小人たちによって授業が遮られるたび、先生たちはうんざりしていた。スネイプ先生は小人の乱入後、あからさまに不機嫌になりグリフィンドールから何度も減点をしていた。
小人は毎回毎回、何枚かをAに渡してきた。移動の間にすべての宛名を見たが、初めて見る名前の人からのものばかりだった。そしてときにはAに向けて歌を送ってくる人もおり、そのたびにAは恥ずかしくてたまらなかった。
「…あんなA、見たことないよ。」
昼食時、パンをほおばりながらロンは呟いた。
Aを親しく思っているハーマイオニーもハリーも、今日ばかりは彼女に話しかけることはできない。
散々授業の邪魔をされ、恥ずかしい思いをさせられたAは非常に不機嫌になっていた。
授業が終わった後の地下牢での実験は、今までで一番静かだった。
スネイプ先生もAも作業自体はいつも通り丁寧に行っていたものの、最低限の言葉しか発することがなかった。
「よお、どうだった？バレンタインは。」
夕食も食べ終わり、大広間から談話室に戻る途中、後ろからリーが話しかけてきた。
Aは「良かったわけない」と思いながら無言で睨んだ。
「おお、イライラしてるな…」
「リーも見ていたでしょう？」
「もちろん。よくあれに耐えたな。俺ならとっくに部屋に引きこもってるよ。」
「あの小人だったら寝室だろうと入ってきそうだわ。」
リーと並んで階段を上がる。
「あのカードたちどうすんだ？」
「後で燃やすわ。一応、読んだし、持っていてもしょうがないからね。」
「たしかに、それがいいな。」
合言葉を言うと、扉が開く。
「じゃあ、私はもう部屋に戻るわ。」
「ああ、今日はゆっくり休みな。おやすみ。」
「ありがとう、おやすみ。」
「…なあ」
階段をの一段目に足を乗せたところで、リーに呼び止められた。
「どうしたの？」
「いつまで続ける気だ？」
「…私も知りたいわ。どうしたらいいのかもね。」
それだけ言って、寝室に向かった。
カバンから今日もらったバレンタイン・カードを取り出す。
二人からのものがないのはもう何度も確認している。そりゃそうだ。自分だって出してないのだから。
カードをまとめてゴミ箱に入れる。
「
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
