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Aの中のもやもやは消えていなかった。
しかし、またあの目を向けられるのではないかと思うと二人と話すのが怖くて避けてしまっていた。
加えて、勉強にしている間はそれを気にせずに済んだので、クリスマス休暇以前よりも勉強に没頭するようになった。
後輩たちと話す機会も増え、その間もあまり気にせずに済んでいた。
始まりはロンとハリーが宿題に苦戦していた時だった。
図書室から帰ってきたAは談話室に置いてある机に向かいながら頭を抱える二人を見つけた。
「二人ともどうしたの？」
「A！変身術の宿題なんだけど、難しくって…。」
「A、変身術得意でしょ？教えてよ！」
「別にいいけど…。」
二人に聞かれたことに関して、説明するとそれが分かりやすかったらしく、大いに感謝された。
その宿題が上出来で、どうやってやったのか周りに聞かれたらしく、それ以降、難しくてわからない宿題をAに聞きに来るグリフィンドール生が増えたのだ。
「そういうことだったんだね！ようやくわかったよ！」
「A、本当にありがとう！」
「どういたしまして。役に立ててよかったわ。」
すっきりとした笑顔を浮かべるネビルたちを見て、Aも笑顔になる。
シェーマスとディーンが先ほど教えた内容を復習してる時、ネビルが眉を下げながら小さな声でAに話しかけた。
「ねえ、A」
「どうしたの？」
「僕でよかったら話、聞くからね。その、去年のお返しもしたいから。Aみたいにアドバイスはできないかもだけど…。」
「…ありがとう。ネビルは優しいね。」
ネビルは少し恥ずかしそうに笑った。
しかし、ネビルに頼るのはなんだか違う気がして、それ以上は話さなかった。
彼が頼りないとかそういうことではなく、個人的な恋愛事だから。
リーとは時折、話すことがあったものの、フレッドとジョージとは一言も話すことなく時間は過ぎていった。
1か月もすると、授業以外の時間、図書室と寝室で勉強しつつ、たまに後輩の勉強をみるという生活は当たり前になっていた。
加えて、どうやって話しかけたらよいのかもわからなくなっていた。あんなに話してきたはずなのに。
向こうから話しかけてくることもないので、本当に嫌われてしまったのかとも思い、そもそも話しかけてよいのかもわからない。
ちゃんと話さなければいけない、と思いつつ、勉強が忙しいことを言い訳に先延ばしにし続けていた。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
