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ようやく、クリスマス休暇になった。
残ることにしたハリーとウィーズリー兄弟、そしてAは爆発ゲームをしたり、決闘の練習をしたりして、自分達しかいないグリフィンドール塔を満喫していた。
パーシーはほとんど談話室に顔を出さなかった。Aは談話室で勉強しつつ、息抜きに時折ゲームに参加して過ごしていた。
「二人とも行きましょう！A、いろんな話を聞かせて！」
「わかったわ。だからあまり引っ張らないで。」
珍しくハーマイオニーがはしゃいでおり、ジニーとAの腕を引いて歩く。
夕食後は女子三人、Aの部屋で魔法動物についてのいろんなエピソードを教えてもらうらしい。ずっと元気がなかったジニーも少し元気が戻っており、楽しそうだ。
ハリーは仲良く一緒に階段を上っていく三人の背中を微笑ましく見ていた。
逆に、フレッドとジョージは夜になると、少し機嫌が悪くなっていた。パーシーとロンはそっちの方が気になっていた。
「なに不機嫌になってんの？」
「べっつに〜？」
「クリスマス休暇なのにAが構ってくれないのが気に入らないとかじゃないし〜？」
「…お前たち、自分たちの妹にも嫉妬するのか？」
パーシーは怪訝な表情をしながら口をへの字に曲げる双子を見ていた。
Aたちは寝室に入り、三人で彼女のベッドに腰掛ける。
「さて、どの子の話からしようか？」
「Aが好きな動物の話から聞きたいわ。」
「だったら、グレニアンだね。」
ジニーがAより先に答え、ハーマイオニーは首を傾げた。
「どうしてグレニアンなの？」
「家の森にはグレニアンもいるんだけど、その中に同い年の子がいてね。ルークって子で、あの森で一番仲がいいの。」
「どんな子なの？」
「無邪気で、甘えん坊ね。私が来たの事に気が付いて飛んでくるし、家に帰るまでずっとそばにいてくれるの。昔からね。」
そして幼き日の自分が森を歩き回っている時、いつも無邪気なルークがゆっくりと隣を歩いてくれ、こけそうになった時はとっさに支えてくれたことを二人に話す。
「とても優しい子なのね。…それじゃあ、次に好きな動物は？」
「次は…どの子かな…」
Aは好きな動物の名を順番に挙げるのに苦労した。どの子も好きだからだ。
しかし、動物の名を思いつくと、関連するエピソードがするすると出てくるのを見て、彼女は本当に森の動物たちが好きなんだな、とハーマイオニーは実感した。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
