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不満そうな顔をするフレッドとジョージに苦笑いしつつ、ディゴリーと呼ばれた少年のところに行く。
「A・ノーランです。」
「僕はセドリック・ディゴリー。同じ4年生だよ。よろしく。」
「そうだったのね。よろしく、セドリック。」
セドリックは、自分のペアがAであることに驚き、少し緊張していた。
Aが、ちょっとした有名人だったからだ。
毎年トップになるほど成績優秀。グリフィンドール生だが、あのスネイプ先生にも一目置かれているほどだ。それに一昨年はクィディッチのシーカーを務めたほど運動神経も良い。
また、彼女の上品なふるまいは育ちの良さを際立たせる。
そして何より、非常に美人なのだ。
昨年卒業した彼女の兄、キース・ノーランもかっこいいとよく噂になっていたが、彼女に関してもかわいい、美人だと言われることが多い。特に、今年度に入ってからは。
「相手と向き合って！そして礼！」
壇上に戻ったロックハートの号令でセドリックとAはペコリと頭を下げる。
「杖を構えて！私が三つ数えたら、相手の武器を取り上げる術を掛けなさい。武器を取り上げるだけですよ！皆さんが事故を起こすのは嫌ですからね。一…二…三…」
二人は肩より上に杖を振り上げる。
「
セドリックよりも先にAが呪文を放つ。
スネイプ先生がやった時と同様に紅の閃光が走り、Aの手にはセドリックの杖が収まった。
「…すごいね。」
「ありがとう。」
彼に杖を返した時、ロックハートの叫び声が聞こえた。
周りをよく見ると、息を切らしながら横たわっているネビルやヘッドロックをかけられているハーマイオニーがいた。
「なんか、みんな大変そうだね。」
「ええ。なんであんな風になるのかは、わからないけれど…。」
しばらくすると、大広間の真ん中にハリーとドラコが出てきて、他の生徒は下がって空間を作った。
「
ロックハートの号令の後、ドラコが呪文を怒鳴り、杖の先からヘビを出した。
周りの生徒は悲鳴を上げ、後ずさる。
「動くな、ポッター。…我輩が追い払ってやろう」
「私にお任せあれ！」
スネイプより先にロックハートは前に出ていき、杖を振る。ヘビは宙に舞い上がり、再び床に戻っただけだった。
怒り狂ったヘビはハッフルパフの一年生に近寄り、攻撃しようとしている。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
