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「…石にされたのじゃ。死んではおらん。一体、どういう術を使ったのか…」
「あいつですよ！壁の文字をお読みでしょう！？」
「僕、指一本触れてません！」
ハリーは睨んでくるフィルチの言葉に反論する。
「校長、一言よろしいですかな。」
ダンブルドア校長の後ろからスネイプ先生が出てきて、ゆっくり口を開いた。
「ポッターやミス・ノーランたちは、偶然居合わせただけかもしれませんな。とはいえ、状況的には実に疑わしい。なぜ、この廊下にいたのか？なぜ、ハロウィンパーティーにいなかったのか？」
スネイプ先生にそう問われたハリー達は絶命日パーティーのことを必死に説明した。
「ミス・ノーランは？」
「図書室で勉強してました。」
まだ動揺しており、少し震えた声でスネイプ先生に答える。
「この時間まで？」
「はい。マダム・ピンスが知っているはずです。」
「では、なぜ四人はその後、パーティーに来なかったのだ？」
「疲れたので、寝室に戻りたくて。その途中で、同じく寝室に向かおうとしていたAに会ったんです。」
ハリーのその言葉に、スネイプ先生は片眉を上げる。
「夕食も食べずにか？」
「僕たち、空腹ではありませんでした！」
ロンが大きな声でそう言った途端、彼のお腹が鳴った。
スネイプ先生はそれを冷ややかな目で見た後、ダンブルドア校長の方を見た。
「『疑わしきは罰せず』じゃ、セブルス。」
「私の猫が石にされたんだ！処罰を与えなけりゃ気が済まん！」
また金切り声を上げたフィルチに、ダンブルドア校長は落ち着いた声で話す。
「君の猫は治せますぞ。スプラウト先生がお持ちのマンドレイクでな。十分に成長したら蘇生薬が作れるのじゃ。」
スプラウト先生がこくこくと頷く。
それを見て、フィルチは少しだけ落ち着いたようだ。
「それまでの間、くれぐれも用心するのじゃ。…よいな？」
四人は頷いた後、寮に戻ろうとした。
「ミス・ノーラン」
マクゴナガル先生はAのみ呼び止め、三人は先に帰らせた。
「…非常に勉強熱心で感心しますが、食事などを疎かにしてはいけませんよ。」
それだけ言うと「帰りなさい」というように肩を叩き、Aは力のない足取りで寮に帰った。
寮に戻るとハリーやフレッドたちが心配してきてくれたが、大丈夫だと伝えて、寝室に戻る。
疲れているのに、ベッドに入ってもなかなか寝ることができなかった。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
