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“秘密の部屋は開かれたり”
“継承者の敵よ、気をつけよ”
どういう意味だろう、と首を傾げていると、ロンが声を出す。
「なんだろう…下にぶら下がっているのは？」
四人は恐る恐る、それに近寄る。床には大きな水たまりができており、歩くたび水音が静かな廊下に響いた。
近寄っていくと、その怪我の正体が分かった。
フィルチの猫である、ミセス・ノリスだ。尻尾から松明にぶら下げられている。目は見開いたまま、ピクリとも動かない。
Aはその衝撃的な光景に呆然としていた
しばらく、四人とも動けなかったが、ロンが口を開く。
「ここを離れよう。」
「助けるべきじゃないかな…？」
「僕の言う通りにして。ここにいるのを見られない方がいいよ。」
そう言われても、Aは動くことができなかった。ロンが彼女の手を引いて立ち去ろうとしたが、すでに遅かった。
パーティーが終わったようで、廊下の両側からにぎやかな声と楽しげな足音が聞こえてきた。
生徒たちはミセス・ノリスを見つけるととたんに静かになり、何事かと思った生徒が群がってくる。皆がその光景に息をのむ。
ハリー、ロン、ハーマイオニー、Aは廊下の真ん中に取り残された。
「継承者の敵よ、気をつけよ！次はお前たちの番だぞ、『穢れた血』め！」
しばらくして、ドラコが沈黙を破る。
騒ぎに気が付いたフィルチが人ごみを押しのけながらやってきた。彼はミセス・ノリスを見つけて、叫ぶ。
「私の猫だ！私の猫だ！ミセス・ノリスに何が起こったというんだ！！」
彼の目はギロ、とハリーの方を見る。
フィルチはハリーに掴みかかり、また叫んだ。
「お前だな！お前が私の猫を殺したんだ！俺がお前を殺してやる！殺してやる！！」
「アーガス！」
ここでようやく、ダンブルドア校長がやってきた。後ろにはマクゴナガル先生やスネイプ先生、ロックハートもいる。
ダンブルドア校長はミセス・ノリスを見た後、生徒たちに呼びかけた。
「諸君、それぞれの寮にすぐ戻るのじゃ。」
その言葉で、生徒たちは動き出す。
ハリー、ロン、ハーマイオニーもそれに紛れて帰ろうとしたが、ダンブルドア校長に引き留められてしまった。
Aはゆっくり振り向き、人混みの中のフレッドとジョージを見る。
こちらをちらちら振り返りながら、パーシーに促されて去って行った。
ダンブルドア校長はまじまじとミセス・ノリスを見る。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
