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アーサーがAの方に目を向けて言った。
それを見たモリーは優しく微笑む。
「私もそう思うわ。」
Aは二人が何のことを言っているのか分からなかったが、二人の間で完結してしまったみたいなので、聞くことは叶わなかった。
下処理を終え、次はモリーに目玉焼きを焼くように指示される。5個の卵をフライパンに落とし、焼き始める。
ジニーが戻ってきて、飲み物を継いでくれているときにハリーとロンが下りてきた。
ジニーはハリーを見ると飲み物が入っていたグラスを倒してしまった。
「あれ？Aじゃん！もう来てたんだね！」
「ああ、ロンに、ハリー！手紙の返事がないから、心配してたの。」
「ごめん。でも、ロンたちが助けてくれたんだ。」
「簡単に、手紙で教えてもらったわ。元気そうで安心したわ。」
Aは目玉焼きの様子を見ながら、答える。
「もう少しでできるから座って待ってなさい！」
ジニーがこぼした飲み物を掃除したモリーは、なんだか楽しそうに言った。
「ママ、Aが来たからすごい上機嫌だ。朝ごはんも気合入ってるよ。」
「そうみたいだね。」
「おはよう。おや、A、来てたのか。」
「ああ、おはようパーシー。今朝こっちに来たの。」
焼けた5個の目玉焼きをお皿に乗せ、続けて4個の卵を焼き始めた。
モリーは野菜とチキンのサラダを大きな器に入れてテーブルに置いた。
トーストも目玉焼きも焼け、それぞれの席の前に置いている時、ようやく双子があくびをしながら起きてきた。
二人はエプロン姿で、食事を配膳するAを見て、固まった。つい先ほどまでの眠気など吹っ飛んでしまった。
「おはよう。お邪魔してるわ。」
「ああ、うん。おはよう。早かったんだね。」
「き、今日の朝ごはん、豪華だね。」
双子はぎこちなく、自分たちの間は一席空けて椅子に座った。
「せっかくAが来てくれたんだもの！さ、Aも座って！食べましょう！」
「はい！」
エプロンを脱いで、二人の間の椅子の背にかけ、そこに座る。
二人ともチラチラとAを見ている。なんだかその視線が嫌だったが、無視してトーストにかじりついた。
**
双子は朝食を食べ終わるなり、そそくさと自室に帰っていった。
ジニーの部屋に荷物を置き、二人の部屋に向かう。
コンコンとノックするが返事がない。
鍵はかかってないので、少しだけ開けて中の様子をうかがった。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
