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あのドラコの一件から１ヶ月近くがたったものの、手紙やロンのような吠えメールが送られてくることはなかった。
スネイプ先生も相変わらず指導してくれている。ただ、少し厳しくなった。(内容が以前より難しくなっているのも関係していると思われるが。)
そして今日は10月の第四週であり、ホグズミードに行く日である。
鏡の中の自分を見て、おかしなところがないか確認する。
初めてではないのに、初めてと同じぐらい緊張している。
待ち合わせの場所に向かっていたが、フレッドとジョージの姿を見て足が止まる。
以前、ホグズミードに行ったときよりも背が伸びていて、服装もおしゃれになっていて、雰囲気が大人っぽくなっている。
夏休みにも会っていたはずだが、“デート”というものがその変化を目立たせていた。
離れたところで二人をぼうっと見ていると、その視線に気づいた双子がAに手を振った。
「A！」
名前を呼ばれて、ハッとする。
Aは赤くなった顔をうつむかせながら、ぎこちなく近寄って行った。
双子は最初、その様子を不思議に思っていたが、彼女が近くに来る頃には同じように赤くなっていた。
成長しているのはフレッドとジョージだけではない。
身長こそあまり伸びていないものの、顔立ちや体つきが大人っぽくなっている。制服とは違う格好によって、それがよく見えるようになった。
「待たせてごめん。」
「ううん、全然待ってない。」
できるだけ普段通りに会話をして、三人は手を繋いで歩き出す。
いつものように、ハニーデュークスやゾンコ、三本の箒などを回った後、外れにある叫びの屋敷の近くで休むことになった。
手ごろな丸太に座って、身を寄せる。
ジョージが、Aのウェーブがかかったホワイトブロンドのなめらかな髪の毛を撫でる。
それが気持ちよくて頭をジョージの手に押し付ける。
ジョージにはそんなAが可愛くて仕方なかった。普段は勉強で忙しくしている上、頼られ甘えられる立場にいることが多いので、こうして甘えてくれる姿はあまり見ることができない。
二人がいちゃいちゃしているのを見て、フレッドはAと指を絡め、腕にぎゅと抱き着く。彼女の肩に顔を埋めると彼女の甘く優しい香りがしてきて、それが心地よい。
誰一人として言葉を発することなく、時間だけが過ぎていった。
それでも、三人にとってこの時間はこの上なく幸せなものだった。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
