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土曜日、ハーマイオニーとロンと一緒に中庭に出る。
薬草学を教える約束で、ちょうど気持ちの良い天気だったので外に出ることにしたのだ。
あいにく、ハリーはウッドによって朝早くにクィディッチの練習へ駆り出された。
二人が後で教えてあげるそうだ。
Aが教科書を開き、それをハーマイオニーとロンが左右から覗き込む形でベンチに座り、教えていた。
「それで…」
「あ、ウッドだ。」
教えている途中で、ロンが呟く。
彼と同じ方向を向くとウッドたちが歩いてくるのが見えた。
と、同時に、反対側からスリザリンのフリントたちが歩いてくるのも見えた。
「もめそうだぞ…。」
その険悪な雰囲気を感じ取り、二人が近寄って行った。それを追いかけてAも近寄っていく。
「“私、スネイプ教授はスリザリンに練習許可を与える。新シーカーの教育に”…新シーカーって？」
ウッドに聞かれて、前に出てきたはドラコだった。
「マルフォイ？」
「そうさ。それだけじゃない。」
そういって、箒を見せびらかす。スリザリンは皆、黒く光る箒を持っている。
「ニンバス2001だ！どこでそれを？」
「ドラコの父上さ。」
「誰かさんと家とは蓄えが違うんでね。」
ニンバス2001に食いついたロンに対してフリントとドラコはにやにやしながら自慢した。
それにカチンときたハーマイオニーは言い返す。
「こっちはお金じゃなく才能で選ばれてるの。」
「誰がお前の意見を聞いた？『穢れた血』め。」
『穢れた血』
マグル生まれの魔法使い、魔女に対する、最低で汚らわしい言葉。
その言葉がドラコから発せられると、グリフィンドールの者は声を上げた。
フレッドとジョージはドラコに飛び掛かろうとして、フリントがドラコの前に立ちはだかる。
Aは声は発さず、ただただドラコを軽蔑の目で見ていた。マルフォイ家は純血主義を掲げていることはよく知っていたが、まさか、その息子がそんな言葉まで使うなんて、と。
しかし、マグル生まれのハーマイオニーには軽蔑されたことはわかっても、その言葉の意味は分かっていないようだった。
怒ったロンはローブから杖を取り出す。
「よくも言ったな！ナメクジ食らえ！」
そう、呪文を唱えた。が、呪文は逆噴射してし、ロンはお腹に当たって後ろに吹っ飛んだ。
ロンの杖が折れてしまっていたからだ。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
