66 ページ16
数秒後、ロックハートの大きな拍手の音が響いた。
「素晴らしい！こういう方法もあるね。君はピクシーについて随分と詳しいようだ！」
「…どうも。」
「グリフィンドールにはさらに10点差し上げましょう！！では、あー、諸君、宙に浮いてるピクシーを集めて籠に入れなさい。全部回収出来たら、ピクシーに対する別の呪文を教えましょう！」
ロックハートがそう言うと、皆、のそのそ立ち上がり、ピクシーを回収し始めた。
**
「ロックハートはAを気に入ったに違いない。」
「…まあ、嫌われるよりマシだけれど。」
「『ペスキピクシ・ペステルノミ』…だっけ？あれってどのぐらい効果あるんだろう？」
「知らないわ。初めて聞いたもの。」
「とりあえず、“イモビラス”が使えたら問題ないだろ。それにピクシーになんかそうそう合わないさ。」
「あら、Aたちもピクシーをやったの？」
Aと双子が談話室で話していたところに、ハーマイオニーが突然入ってきた。
「“も”ってことは、2年生の授業でもピクシーを？」
「そうよ。」
「教室にピクシーを放ったりしたか？」
「ああ、放ったさ！しかも、ロックハートの奴、『その辺に残っているのを籠に戻しておくように』って言って、すぐに奥の部屋に入りやがったんだ！」
「あれは私たちに体験学習をさせたかっただけよ！」
「そんなわけあるか！？」
「おい、二人とも落ち着けよ。」
言い合いになりそうなハーマイオニーとロンの間にジョージが入る。
「ピクシーは扱いがすごい難しい生き物よ。ロンがイライラしてしまうのも無理ないわ。」
「ロン、悪いことは言わないから、あいつのファンに悪口の言うのはやめとけ。」
Aはハーマイオニーを、フレッドはロンをそれぞれなだめる。
二人とも落ち着いたところで、ハーマイオニーが「あ！」と声を上げた。
「ロン！大事なことを忘れてたわ！」
「…そうだよ！」
何かを思い出した様子の二人はAの方を向いた。
「ねえ、A、土曜日、空いていたら薬草学を教えてくれない？教科書で気になったところがあって…。」
「僕とハリーにも教えてよ！」
「う、うん。もちろんいいわよ。」
驚きながらも承諾すると、ハーマイオニーとロンは顔を見合わせて喜んだ。
その反応がAにはとても嬉しかった。
フレッドとジョージが少し不機嫌な顔をしていたのには誰も気づいていなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
