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大広間の前で、ハリーロンにばったり会った。
「二人ともおはよう。昨日は大丈夫だった？」
二人は無言で肩を竦めた。ハリーは無表情だ。
Aはそんな二人に苦笑いする。
そのまま大広間に入り、先に来ていたフレッドとジョージの隣に座る。
「おはよう」
「ああ、おはよう。課題はどうだった？」
「指摘されたけど、まあまあいい出来だったみたい。」
「それは良かった。」
「おはよう、A！朝から課題？」
「おはよう、ジニー。夏休みにやったのを提出してきたの。」
オートミールを食べ始めてすぐのこと、近くですごい音がした。
ハーマイオニーのそばの水差しに何かが突っ込んでいた。「エロール！」と叫ぶロンの声で、それがフクロウであったのだと分かった。
エロールは赤い封筒―「吠えメール」が咥えられていたのだ。
「吠えメールだ！」
「ロン、開けた方がいいよ。開けないともっとひどいことになるよ。僕のおばあちゃんも一度僕によこしたことがあるんだけど、ほっておいたら…ひどかったんだ。」
ネビルに促され、ロンは恐る恐るその封筒を受け取り、ゆっくり封を開け始めた。手紙の四隅から煙が上がっている。
Aは耳を塞いで、来るであろう大声に備えた。
ロンが開封した、その瞬間。
「ロナルド・ウィーズリー！！」
「あの車を盗み出すなんて！本当になんという子でしょう！役所はお父さんを尋問…全部、お前のせいです！今度ちょっとでも規則を破ってごらん！家に連れ戻します！！」
耳を塞いでいてもはっきりと聞こえてくる大声に耳がジーンとなる。
封筒は燃え上がり、灰になった。
「…今回は同席しなくて正解だったかも。」
「そうだな…。」
「そうね…。」
呆然としながら、ジョージ、フレッド、Aは小さく呟いた。
しばらくしたら笑い声や話し声が大広間に戻ってきた。
マクゴナガル先生が時間割を配り始めた。受け取ったものを見てみると、最初の授業は変身術だ。
「お、早速今日の2限目が闇の魔術に対する防衛術だぜ！」
「…一体どんな授業なんだろう。」
「あいつは話すのは上手いはずさ。役には立たなくても退屈にはならないだろう。」
フレッドの言うぐらいの気持ちで臨むのが良いのだろう。
Aも今年の闇の魔術に対する防衛術の授業には期待しすぎず、何か良いことが聞けたらラッキーぐらいに思っておこうと決めた。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
