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歓迎会も終わり、談話室に戻る。
みんな、ハリーとロンが来るのを待っているらしく、ほとんどの人が談話室にいた。
Aは明日の朝一番にスネイプへ課題を提出する必要があるため、部屋に戻ることにした。
「おいA、どこ行くんだよ？」
「私はもう寝るわ。明日、朝早くにスネイプ先生のところに行かなきゃいけないの。」
「…そう。おやすみ。」
「おやすみ。」
二人に軽く手を振り、人をかき分けて寝室に続く階段を上る。
課題を再度確認して、Aは眠りについた。
**
「…」
「…」
冷たい地下牢は、呼吸音がはっきり聞こえるぐらい静かだった。
緊張した面持ち立つAの前には、眉間にしわを寄せながらレポートを睨んでいる。
しばらくするとスネイプはすっと立ち上がると、Aが作った薬品を鍋に入れてその出来を確かめ始めた。
数分後、バサッとローブを翻してAの方を向いた。
「…まだまだ改善が必要だ。効果はあるだろうが、薄いだろうな。」
「…」
「これを作る際に、兄上にも聞いたな？出来上がりが非常に似ている。」
「確かに聞きました…。」
しばらく沈黙が流れる。
スネイプは改めてAの目を見て、ゆっくりと口を開いた。
「初めて作り、多少でも効果があるものができる事はあまりない。今回は期待通りといったところだろう。」
「…え？」
「1年生の頃から何度も何度も、忙しい我輩のところを訪れていて、この程度も作れないなどあり得ない。…我輩が無理難題を出したとでも？」
「い、いいえ。」
「作り方を見直してから、再度調合をしに来るとよい。」
「わかりました…。」
Aは少しぼうっとしたま地下牢を出た。
じわじわと、嬉しさが込み上げてきた。
あのスネイプ先生が、今の自分のことをちゃんと認めてくれていたことが嬉しくてたまらなかった。あの人は、あまり褒めないから、自分はまだまだ認められるレベルではないと思っていたのだ。
あの課題が、彼の期待通りにやってのけると信じて出されたものなのか、彼の期待に添えるか試す意味合いで出されたものなのかはわからないが、どちらにしろ、今回の課題は今の自分にしては上出来だったということだろう。
そう思ってもらっていたのであれば、これからもその期待を裏切らないようにもっと頑張らなきゃ、と思いながら軽い足取りで階段を上った。
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作者名：Violet | 作成日時：2022年2月27日 18時
