ベルフェゴール編 ページ5
ドンドンドン！
「うるせえぞぉ！何度もドアを叩くんじゃねえ！」
「シシシ、そうしなきゃスクアーロ部屋に入れてくんないじゃん」
「そもそもお前がオレの部屋に入る必要がねえだろ」
「あるに決まってるじゃん。王子がヒマしてるんだよ」
そんな自分勝手な理由があるかぁ！怒鳴りたかったがスクアーロはこらえた
戦いに来たわけではない事が分かっているからだ
「何してんの？早くここ座ってよ」
「…仕方ねえな」
任務がねえ時、ベルはオレの髪をいじる事が趣味になったらしい
「シシシ、やっぱり高い位置で結んだ方がいいね」
「そうかよ」
ベルは楽しそうだが、正直オレは苦痛だ
男が髪を触られて嬉しいと思う方が変だろうがなぁ
しかも、それだけならまだいい
「ベルゥ！テメエまたやりやがったなぁ！」
「ちぇ。今日もバレちまったか」
ベルの野郎は一度だけ、オレの気が緩んだ所を狙ってナイフで髪を切ろうとする
何とか避ける事はできるが、任務がねえ時にこんなヒヤヒヤしなきゃいけねえのは、煩わしい
「ベル、テメエは髪を切ってほしいのかよ」
「そんな事言ってないじゃん。短かったらスクアーロの髪で暇つぶしできないし、そもそも切れって言われたら切んのかよ？」
「切るわけねえだろ！」
「だろ？そんな無駄な質問すんなって」
「じゃあ、何でナイフ使って切ろうとするんだぁ？」
「…」
「ゔおい！黙り込むんじゃねえよ！オレは何か悪い事言ったかぁ？」
「別に…『ボスのために』伸ばしてるってのが気に入らないだけ」
「あぁ？何か言ったかぁ？」
「うるさい！聞こえないように言ったんだよ」
「はぁ？わけ分かんねえ奴だな」
「良い暇つぶしになった！バイビー」
「ああ。もう二度とくんな」
「やだね」
そう言ってベルは部屋を出て行った
「ホント、よく分かんねえガキだぜぇ」
「アイツホント馬鹿！…でも嫉妬ってバレるよりはマシか」
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作者名：風来坊 | 作成日時：2019年12月23日 16時
