すいかとみかんとママレード(黒×橙) (ページ39)

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(You side)

倒れてから数日後。

ちょっとずつ体は回復して、食欲も戻ってきていた。

そんなある日、蓮から来たLINE。

.

"今からちょっと会えない？"

それって...？

そういやこんなことは初めてだ。
今まで蓮と2人で会うことに何の違和感もなかったから、途端に意識している自分がいる。

メッセージに既読をつけて、どう返そうか考えていた時、今度は電話がかかってきた。

.

"康二"

「えっ...」

びっくりして電話に出る。

"...もしもし、A？"

「うん、...どうしたの？」

"体調もう大丈夫？"
「うん。
...保健室まで運んでくれたんだよね？先生から聞いた、ありがとう」

"ううん。

ずっと謝りたかったんや。
あんなに、倒れるまで追い詰めてホンマにごめん"

「ううん、康二は悪くないから」

康二の優しい声や言葉を聞くと泣きそうになる。

"俺、Aに話したいことがある"

「うん、何？」

覚悟を決めたような康二の様子に何となく身構える。

.

"直接話したいから今から会いたい"

「今から...？」

そう呟いた瞬間聞こえた、部屋のドアをノックする音。

そしてすぐ開いた。

.

「ごめん急に」

「蓮...」