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「...ごめん、既読だけついたからどうしたのかなって」
「...」
"今から会えへん？"
電話越しの康二の声に蓮も一瞬言葉を失う。
「...康二と会うの？」
「え、」
蓮は私からスマホを取り上げ机に置いて、そのすぐ私を抱きしめた。
.
「行くな」
「蓮...」
「会わないで。俺といて」
"A、会いたい"
「ダメ」
蓮が言い放つ。
直に感じる康二の声と、0cmの距離の蓮の体温。
.
「...私、
...聞こえてた。
保健室の、蓮と康二の会話」
そう言うと、蓮は抱き寄せていたのを離し、私を見つめる。
.
「蓮、
.
ずっと隣にいてくれてありがとう。
.
...でも私、康二が好き。
だから、今までみたいに幼馴染でいてほしい。
ごめん」
何で私が泣いてるんだろう。
泣きたいのは蓮のはずなのに、その彼は我慢してくれているように見えた。
「だから、康二のところに行ってくる」
.
「うん」
蓮がそう言ってくれたのを機に、私は部屋を飛び出した。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2021年9月19日 23時
