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「ねえ、喉渇かない？」
ラウールが口を開く。
「確かに。でも家にジュースとかあったっけ？」
「なかったと思う。だからコンビニで買ってきていい？」
「じゃあ俺も行くわ。皆何がいいー？」
辰哉くんのその言葉に、全員がそれぞれ言ってから、ラウールと辰哉くんがコンビニへと歩いていった。
必然的に2人きりになる。
一段と輝きだした花火。
「...最近、康二とはどうなの？」
聞きたくない話題を口にしてしまうなんて、ある意味末期だ、
今までAと何話してたんだっけ。
「うん、特に変わったことはないかな。
あでも、花火大会は一緒に行こうって約束してるぐらい。このやつじゃなくて、大きいほうの花火ね」
俺が不器用なせいで、自分の首を絞めてしまった。
Aも抑えてはいるけど、楽しみなの隠せてないし。
「今日もよく考えたら、康二も誘えばよかったよね」
「...かもな」
「そうだ、」
Aがスマホを操作し始める。
間もなく聞こえた、カメラのシャッター音。
「写真？」
「うん、花火の写真康二に送ろうと思って」
そういう素直な所が俺をさらに苦しめる。
Aが気付くわけもないけど。
「...いつまでも撮ってんなら花火使い切るよ」
思わず皮肉っぽく言うと、Aは「やだよ！」と慌ててスマホをしまい、俺と一緒に新しい花火をつけた。
並んで座るその距離、1�僉�
「A」
「ん？」
「また、花火しような」
俺の言葉に目が合って、心臓の音は聞こえそうなぐらいで。
「当たり前じゃん。来年も楽しみだね」
彼女の笑顔は透き通っていて、
また、俺を苦しめた。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2021年9月19日 23時
