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「...えっ！？あ、ごめん」
「いや、こっちこそ」
思わず声が出て即座に謝る。
というか、そこを拾われると思わなかった。
「そうなんだ。ラウールくん好きな人いるんだ」
「...まあ、」
「ていうか、だったら私といてよかったの？」
「いいよ。そこは問題ないから」
「そっか。
その人、どんな人？」
「...すごく優しい人だよ。僕ともよく話してくれるし」
「よく話してくれる...そうなんだ」
また目が合う。
「...ラウールくんの好きな人ってさ」
「...え、」
...もしかして、気付かれた？
そうなったらめちゃくちゃ恥ずかしいし、ほぼ２人きりとはいっても勇気が出なくて言えない。
.
「...ううん、やっぱ大丈夫。何でもない」
「...そっか」
彼女はそうしてやめた。
「...Aさんは？」
「前まではいたよ」
「え？」
「しっかり振られて、今は完全に吹っ切れてる」
僕にとって嬉しいことだから信じたいのかもしれない。
それでもAさんの言葉と表情は、全部本当な気がした。
.
「あれ、深澤先輩は？」
Aさんの言葉でお姉ちゃんがいた方を見ると、確かにその姿はなかった。
すぐスマホを確認する。
"邪魔しないように帰るね〜笑
康二に呼び出されたらしいってAちゃんには言っといて"
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
