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僕も倣うように隣の同じ系統の本を取る。
「ラウールくん興味あるの？」
「うん、大切なことだと思うから、僕は理系だけど大学でも勉強したいなって思ってる。Aさんは？」
「私も興味あるよ。
知り合いにね、恋愛感情とそれ以上の感情を持ってない人がいて」
「アロマンティック・アセクシャル？」
「知ってるの？」
Aさんが驚く。
僕は「知らないだけかもしれないけど出会ったことはないから、知識だけだけど」と返す。
「そうなんだ。私は本人から聞くまでちゃんと知らなかった」
「他と比べても特に知られてないアイデンティティだしね」
「...どう思う？アロマンティック・アセクシャルの人のこと」
「僕が？」
「うん」
「僕は当事者じゃないし、...現に今好きな人いるから生半可なことは言えないけど。
その人にとっては、家族愛とか人として好きっていうのが最上級なだけなんだと思う。
皆と友達でいたいっていうのも、素敵だしね」
飾らず思いを放った後、無意識にAさんと目が合った。
「ラウールくんのその考えも素敵だよ」
僕にとっては当然なのに、好きな人に素敵と言われて胸が高鳴る。
「ありがとう。大したことじゃないのに」
「それを当然にできたり思ってることが素敵なんだよ」
それこそ素敵なAさんにまた好きが積み重なった時、「ていうか」と言葉を放たれる。
「ラウールくん、好きな人いるんだね」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
