3 ページ3
式が終わり、教室に入る。
僕は一番後ろの席から担任の先生の話に耳も目も傾けていたら、
...えっ?
右斜めの2列前。
門の前で見た、あの緊張していた女の子がいた。
同じクラス、だったんだ。
それに、よく見ると大人っぽい雰囲気を纏っている。
ていうかこんなに見てる僕、色々まずい!
慌てて目線を外した。
.
数日後。
「体験どうですかー?」
部活体験が始まった。
校舎を歩いていると、見慣れた顔も呼び掛けをしていた。
「あ、ラウ!」
「お姉ちゃん」
「ラウ入る?吹部」
「ごめんだけど、僕数学部入るって決めてるし」
「得意だもんね。康二とか蓮にも教えてあげてね」
「きゃははは!あ、康二くんってお姉ちゃんの?」
「うん、今度紹介するね!...あ、」
近くで、お姉ちゃんが掲げる吹奏楽部と書かれた看板を見つめる女の子がいた。
あ、
あの子だ。
「吹部、興味ある?」
「いや、その...」
緊張したのか口ごもるその子。
人見知りを発揮して上手くフォローできない僕と違い、お姉ちゃんは優しい笑顔を向けている。
すると、
「あ、いたいた!」
.
「おー阿部ちゃん!」
204人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キキララ | 作成日時:2022年12月1日 17時