レモンとストロベリーとラズベリー(白×緑) (ページ4)

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ちゃんはただのあだ名で、お姉ちゃんが呼んだその人は優しい雰囲気のイケてるメンズだった。

阿部ちゃんさんが僕と女の子を見て、「あ、このお２人も入部希望？」とお姉ちゃんに問いかける。

「あ、こっちは私の弟のラウール」
「弟さん？初めまして。深澤さんのクラスメイトの阿部亮平です」
「初めまして。弟のラウールです」

純日本人の弟がラウールって名前なの？って何万回と言われた言葉を放たなかったこの人は、相当大人な人なんだろうとすぐわかった。

「阿部ちゃんは今年うちのクラスに転校してきたんだ」
「そうなんですか」
「うん、だから気分は1年生」

阿部先輩がそう言いお茶目に笑った後、

「で阿部ちゃん、ラウは違うけど、この女の子は入部希望！」
「えっ？」
「そうなんだ！僕も今まで吹部で入部しようと思ってるから、一緒に行く？」
「...迷惑じゃ、ないですか？」
「ないよ！一緒に行こ？そうだ名前は？」
「A、です」
「じゃあ私も行こうかな、誘ったんだし。ラウ、ちょっとだけ看板持ってて」
「いや僕が勧誘してる側だと思われるじゃん！」
「ちょっとだけだから！ね？」

無茶とも言えるお願いはお姉ちゃんだから受け入れた。

それに、遠慮しがちだったあの子が２人に囲まれながら無事体験入部に行ったことに、どこか安心している自分がいた。