【地縛少年花子くん】ちょっと人より運が悪くて妖力が強いだけですけど？ (ページ5)

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参話目ページ5

それからと言うもの…

ー移動教室ー

「あっ、源くんボタン取れてる」

「本当だ。いつ取れたんだろ」

「私のボタン使って！」
「これも！」
「こっちだ！」

『……』

移動できない。邪魔！！！！

ーお昼ー

『…！』

箸忘れた…
お弁当食べられないよ…！

「ん？箸忘れたの？僕の貸してあげるよ」

源くんが私の行動に気づいて、自分の箸を貸してくれた

『でも…』

「あぁ、大丈夫！落し物を届けに行く帰りに食堂から箸もらってくるから」

キラっと笑うと、私に無理矢理箸を渡し教室から出て行ってしまった
ありがたいんだよ…。ありがたいんだけど、クラスメイトの視線が…！！

「「「(美男美女でお似合いすぎる…)」」」

ー10分休憩ー

はぁ…今日はヤケに運が悪い

次の授業が終われば帰れる……いや

今日は少しこの学園を調べようかな。最近勿怪たちの持っていく物が増えている様な気がするしね

じゃあ、まずは…

「きゃあああっ！！」
「うおっ！！」

『へ…？』

ーーー
ーー
ー

いやいやいや…。これはない

「はい！軽い打撲だから湿布貼るだけで大丈夫よ」

『ありがとう、ございます…』

「でも、貴女も災難ねぇ。階段を登っていたら上から人が落ちてくるなんて」

……早速苦笑いしか出ない

幸い、打撲したのは利き腕じゃない方だったからよかったものの

もし、利き腕だったら…

うぅ…想像もしたくない！！

『ありがとうございました！』

ここに留まっていたら保健室の先生の世間話に付き合わされると有名なので、その前に退室する

「あら、もう行っちゃうの？はーい、お大事にね」

最後にぺこりとお辞儀をして扉を閉める

ー放課後ー

『……さて』

昨日隣の女子が話していた

”旧校舎3階女子トイレ”

に行って花子さんとやらに話を聞いてみますか

と、その前に、今何処に居るか探さないと

ふ…と、目を閉じて集中する

まだ校内にいる生徒の歩く音、話す声、野球部のかけ声、吹奏楽の楽器、軽音部の演奏

様々な音が聞こえるが、その音が消えるまで集中する…
するとぼんやりと白く浮き上がってくる光が見えてくる

これは人間。これは…勿怪？いつものサイズとは違う…？？
いや、それは置いといて

トイレ、トイレ……うん。居るね

ほぅ、と息をついて目を開ける

妖の他に人間が居る様だったけど、きっとあの時の女子だ

うん、なるほどね

ふっと笑うと私はそのトイレに走って向かった