弐話目 ページ4
あの後数分してから教室に戻り、帰り支度をしながらクラスメイトに挨拶をして下駄箱に向かった
下駄箱には数枚の手紙。それを素早く鞄の中に入れて何事もなかったように靴を置く
『っ!!?』
その瞬間、強力な妖の気配を感じた
周りを見渡したが、何事も無かったので不思議に思いながらもそのまま帰宅した
ー次の日ー
『……?』
「どういうことなの…?なんで源くんの机に」
いつものように、人目に付きにくい早めの時間に登校すると源くんの机にクラスメイトが集まっていた。
何事かと思い、自分も近づくと
『夏野菜…??』
「源!!」
源くんを呼ぶ声が聞こえるまでずっと釘付けだったのに気付き、すぐに自分の机に行く
「おはよ。なんかあったのか?」
「やべーんだよ、見ろあれ!
お前の机に夏野菜が!!!」
呆然と自分の机を見る源くんを横目に、後ろの扉から覗いている1年生の女子に気づく
源くん目当てで、このクラスに来る女子は少なくないが、学年が違う女子は全くと言っていいほど来ない。しかも下の学年で、この早い時間に来るなんて今まで一度も見たことない
と、なると
『犯人だ』
教室から離れていく姿を見ながら自分の荷物を片付けていく。え?追いかけないのかって?
うーん、面倒事には突っ込みたくないから無視
「へ?Aさん、今何か言いました??」
『!!』
思い切り頭を横に振る
「そ、うですよね!ごめんなさい、私の勘違いです…!」
ほんのりと頬を染めたクラスメイトは慌てて友達の所へ向かった
それを見届けると昨日の本の続きを読む
本は好きだ。自分が知らない世界を見せてくれるし、主人公がどんな気持ちなのか事細かに書いてあるから理解しやすい
だけど…人間と妖は厄介だ。気持ちは全く分からないし、何をするか分からなくて怖くて仕方がない
今回の事もだ。1年生の女子は夏野菜を置いて、何がしたいのか理解できない
『……』
私の栞を隠そうとした勿怪(もっけ)を見つけたので、代わりに飴を渡そうと鞄に手を入れる
…が、見つからない
栞を隠されては本が読めないので、代わりにハンカチを勿怪に渡した
《いいにおいがする。やっぱりこれもってく》
ウサギのように長い耳を動かしながら私のハンカチを持って行った勿怪を、微笑みながら眺める
その後すぐに正気に戻り、本の世界へと度だった
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餅 - 続きをお願いします!!🙏 (3月16日 9時) (レス) @page18 id: 3d4a314219 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 続きみたいです…🥹 (1月14日 14時) (レス) @page18 id: efa5c04296 (このIDを非表示/違反報告)
雪ミだいふく - 続きを読みたい続きを読みたい (7月8日 21時) (レス) @page18 id: 5e4e2058d4 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 続きを…どうか続きをぉぉぉぉぉ!!!!!! (2023年4月6日 0時) (レス) @page18 id: d787175691 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿です - かすたぁどさん» めちゃくちゃ分かるんだけど (2022年3月19日 13時) (レス) @page18 id: 4111556d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユニ | 作成日時:2016年8月17日 19時