21. 星章学園の闇、とは ページ21
「鬼道！これはどういうことだ！」
画面に映し出されたスタメンのフォーメーション
席から立ち上がって吠える灰崎の隣
霧野のこめかみから冷や汗が伝う
木戸川清修との試合当日
集められた部員に鬼道の口から伝えられたのは
衝撃のフォーメーションだった
灰崎はゴールキーパー
霧野はディフェンス
強力なストライカーである新入生2人を
本来とは異なるポジションに配置したのだった
鬼道の指示でフィールドに向かう部員達
灰崎は怒りを隠すことなく霧野の肩を掴んだ
「おい！お前はこれでいいのかよ」
人気の無くなった室内に響く声
水神矢は2人のやり取りを
物陰からそっと見守っていた
「…仕方ないよ。強化委員である鬼道さんの指示は絶対だし、それが嫌なら試合に出ない他無い」
「そんなこと言ったって、俺はキーパーだぞ!?」
「私だって、ディフェンスの経験なんて無い。鬼道さんの目的って、何なんだろう…」
「目的だぁ？今はどうでもいいだろうが」
「何か目的が無いと、鬼道さんはこんなことしない。鬼道さんの意図を理解しない限り、私達がフォワードに戻されることはない…行くよ」
立ち上がった霧野のは
灰崎の手を取って力強く引く
(…あったけぇ、コイツの手)
思いがけぬ行動に驚くも手を離せずに
彼女の小さな背中を追った
そんな様子を横目に
水神矢は小さく微笑んでいた
(大丈夫だ、きっと。コイツらなら)
次第に近付く歓声
フィールドに出る直前
どちらからともなく自然に手が離れた
そしてそのままピッチに足を踏み入れる
指示されたポジションに着いた霧野は
遠くに見えるボールを見て溜息を吐いた
普段ならボールは足元にあるはずなのに
キックオフ時に何をすべきか分からない
「霧野」
そんな彼女に声をかけたのは
意外にも白鳥だった
「肩の力を抜け。緊張しても何も始まらない」
霧野が頷いたのと同時にホイッスルが鳴り響く
＿＿＿＿そして、悲劇は起こったのだ
「ファイアトルネード！」
遠くから炎を纏ったボールが飛んでくる
その時霧野を支配していた感情は
今までに感じたことの無いものだった
( ＿＿＿＿怖い、)
足が凍り付いたように動かない
それはゴール前の灰崎も同じだった
ボールは真っ直ぐに霧野に向かっていた
「霧野…っ!!」
白鳥は霧野の身体を突き飛ばすと
八木原と共にボールに向かっていった
(無理だ、私にディフェンスなんて出来ない…！)
(やっぱり、出来るワケねぇ)
22. 声援に応えるのもお仕事です→←20. 佐曽塚先輩との恋バナ(番外編)
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ユナ - 更新頑張って下さい (2019年1月27日 8時) (
レス) id: 9a61cb59d8 (このIDを非表示/違反報告)
天麻 - とても面白いです 更新頑張ってください (2018年8月6日 11時) (レス) id: 59f8b0c9ad (このIDを非表示/違反報告)
しろ@超低浮上(プロフ) - しおらんさん» ありがとうございます！全く更新出来ず申し訳ないです…気長にお待ちいただければと思います！ (2018年7月1日 17時) (レス) id: ce9889e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです！灰崎かっこいい！鬼道~！更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 22時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)
葉咲 桜 - しろ@超低浮上さん» 霧野、霧野、霧野、、、。あー！！霧野！ (2018年5月16日 19時) (レス) id: 788ddd7239 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2018年5月7日 11時
