＊プリンス【隼総英聖】 ページ4
「A先輩」
凛とした声で私を呼ぶのは
天河原のプリンス、隼総英聖
「ここ、わかんないんですけど」
シャーペンの先で問題を差し
真剣な表情で私を見上げる
「…家で敬語やめてよね」
溜息をついた私に
妖艶な笑みを浮かべるこいつは
幼稚園からの幼馴染み
「後輩の俺も悪くないだろ？」
「学校だけで充分だよ」
ペロッと舌を出した英聖は
肩の出るニットに黒縁メガネ
モデル顔負けのかっこよさに
そりゃプリンスとも呼ばれるな、と改めて思う
「幸せだろ、プリンスと過ごす休日」
「押し付けがましい」
悪戯に笑う英聖
生意気だけど
なんだかんだ可愛い奴だよね
「知ってる？俺先月３人から告られたの」
「あ、西野空が言ってた」
「先々月は５人」
その前は4人だったかな、と呟いて
私を見つめる英聖
「けど俺は誰とも付き合ってない」
「…そういえばそうだね」
昔からそうだった
英聖は幼稚園の時からアイドル的存在で
バレンタインなんかチョコレートの山
けど英聖に彼女ができたって話は
聞いたことがない
「どういうことかわかるか？」
その言葉に首を傾げると
英聖は深い溜息をつく
「約束したから、お前と」
"約束"
私はその一言に
幼稚園のお遊戯会を思い出す
確かシンデレラの劇をやることになって
英聖が王子様役に決まって
シンデレラ役を巡る
女子の争いが繰り広げられていたんだ
「…すっかり忘れてたよ、王子様」
困り果てた先生達は
英聖くんは誰がいいかな？って聞いて…
英聖は満足そうな顔で
私の前に跪く
そして手を取って
真っ直ぐに私を見上げるんだ
あの時よりぶっきらぼうな言い方で
君はまた"約束"を告げる
「俺のプリンセスになれるのはお前だけ」
(僕のお姫様になれるのはAだけだよ)
大人になった君に
心臓の音が大きく聞こえてくる
「だから絶対離れんなよ？」
(だから絶対離れないでね？)
ワガママな王子様
私は君に
あの時と同じ言葉で答えるよ
「もちろんです、王子様」
私達は顔を見合わせて笑った後
そっとキスをした
天河原のプリンスは
昔からわたしの王子様でした
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しろ(プロフ) - ゆくるさん» ありがとうございます！気長にお待ちいただけたらと思います (2018年2月20日 12時) (
レス) id: ce9889e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆくる - リクエストで、雨宮太陽くんのがみたいです！書けたらで全然大丈夫です！ (2018年2月17日 22時) (レス) id: 9d81f0e141 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 実奈さん» 了解！気長に待っててね〜！ (2018年1月22日 0時) (レス) id: ce9889e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
実奈 - リクエストで御戸と木屋お願いしてもいいかな？ (2018年1月22日 0時) (レス) id: 5e8a5939a3 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - しろさん» yes(ﾎﾞｿｯ (2018年1月17日 15時) (レス) id: d3a7059d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2016年9月2日 23時
