＊それはまるで２ ページ29
13歳、君と出会って
14歳、君に恋をした
15歳、想い合うことの幸せを知り
16歳、初めてすれ違う
17歳、それでもやっぱり君が好きだったーーー
「やっほー」
軽い調子で手を振る私に
彼は空いていた左手を挙げて応える
本来なら授業をやっているこの時間
昼間の駅前は閑散としていて
私達は人気のない田舎道を歩き出す
「で、どこ行くわけ？」
「全く決めてないよー」
「…あのなぁ、俺は授業サボったんだぞ？」
「別に無理しなくて良かったのに」
言葉とは裏腹に穏やかな表情を浮かべる修二
随分柔らかくなったなあ、なんて
自然と笑みが零れてしまう
私の唐突な誘いにも
何だかんだ乗ってくれるところが好き
自転車を押して歩くその背中を追って
半歩後ろを上機嫌で歩く
ぶっきらぼうだけど根は優しくて
何だかんだ私に甘い修二
言葉が足りないのは相変わらずだけど
不思議と分かるようになってきた
「とりあえずいつもの所行くか？」
「そだね」
結局いつもの公園に到着し
彼は入口付近に自転車を停めた
私達はベンチに並んで腰を下ろすと
他愛のない話に花を咲かせる
今日の英語で先生に当てられたとか
お弁当を忘れたとか
どうでもいい話を
修二は楽しそうに聞いてくれる
あの頃よりちょっとだけかっこよくなったけど
変わらない空気感に安心出来る
「夏休み、何処行こうか」
「何処でもいいよ」
愛おしそうに細められた瞳とか
「何したい？」
「別に…何でもいいよ」
普段より弾んだ声とか
「楽しみだね、夏休み」
「…おー」
全然、足りなくなんかないよ
(今は、ちゃんと伝わってる)
子供だった私達
すれ違った日々を越えて
少しは大人になれたのかな
あの頃は"言葉"を求めてた
けれど言葉より大切なものがあると
君と離れてから知ったんだ
友達として
恋人として
形は何度も変わったけど
相変わらず私の隣には修二がいる
それが当たり前になっていて
彼がいない世界で
どうやって生きていたのかも
思い出せないくらいに
(まるで、空気みたい)
そこにいるのが当たり前で
なくなってしまったらきっと苦しい
君に出会って6度目の夏がやってくる
(今年は、一緒に居られるんだ)
ずっと一緒にいたわけじゃない
だからこそ些細なことが嬉しくて
18歳、相変わらず私達は隣にいる
(好きって気持ちも、伝わってるよ)
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しろ(プロフ) - ゆくるさん» ありがとうございます！気長にお待ちいただけたらと思います (2018年2月20日 12時) (
レス) id: ce9889e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆくる - リクエストで、雨宮太陽くんのがみたいです！書けたらで全然大丈夫です！ (2018年2月17日 22時) (レス) id: 9d81f0e141 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 実奈さん» 了解！気長に待っててね〜！ (2018年1月22日 0時) (レス) id: ce9889e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
実奈 - リクエストで御戸と木屋お願いしてもいいかな？ (2018年1月22日 0時) (レス) id: 5e8a5939a3 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - しろさん» yes(ﾎﾞｿｯ (2018年1月17日 15時) (レス) id: d3a7059d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2016年9月2日 23時
