ヒロイン？いいえ、傍観者です。【ツイステ】Part6 (ページ2)

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EPISODE2 - 108 ページ2

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「お前、チェカを俺の所まで案内しただろ？あれのお礼がしたいんだとよ。」

『お礼？そんなのいいですよ。』

「じゃあ、それをアイツに言ってやれ。俺は伝えたからな。」

『はい？僕が言いに行くんですか？』

「俺は伝書鳩じゃねぇ。巻き込むな。」

『ついでに会いに行ってあげればいいじゃないですか。あの子、レオナ先輩の大ファンみたいですし。』

「めんどくせぇ」

面倒くさいって…あんなにレオナ先輩が大好きなのに、可哀想に。まぁ、ああいうのは僕も嫌いだけど…

でも、突き放されても付いてきてくれる人はそうそう出会えない。感謝するべきだろう。

「お前、俺の記憶を見たんだろ？なら、俺がアイツと関わりたくない理由が分かるはずだ。」

『え…？』

レオナ先輩に背を向けていた僕は、驚いて体を反転させる。しかし、レオナ先輩は変わらずに話し続けた。

「…あの魔法がなんなのか知らねぇが、俺もお前の記憶を見た。お前の親と兄の姿を…」

『……なるほど。だから、あんなこと聞いたんですね。』

「あぁ、理屈は分からねぇがな。」

『…それで、何か聞きたいんですか？わざわざ僕を抱き止めてまで。』

一切こっちを向かないレオナ先輩を見て、僕は再び背を向けた。少し低くなる声のトーンにつられ、表情も暗くなる。

「…お前は、どう思った。俺の記憶を見て。」

『……そうですね。』

「正直に言えよ。嘘ついたら許さねぇぞ。」

『今更、嘘なんてつきませんよ。』

どんなことを言われてもそれを受け止める。そんな覚悟で聞いてきたのは僕でも分かる。覚悟には真実で答えよう。

『シンプルに可哀想だなって思いましたよ。』

「……可哀想、か。」

『はい。』

こんなに普通に感想を言われたことはないのだろう。レオナ先輩は少しだけ悲しそうな声色で呟いた。

『…産まれた国も、時代も、自分では決められない。望み通りにならないということは、とてももどかしくて悔しいことです。

どれだけ足掻いても変えられないことは人生の中でたくさんありますが、簡単に納得できるものではないですから。』

「……経験したみてぇな口ぶりだな。」

『あなた、僕の記憶見たんですよね？』

「断片的すぎて詳しくは知らねぇ。ただ…」

あの魔法は僕と相手のブロットを共有する魔法。

きっと、なにかの弾みで僕の感情だけを強く感じ取ったのだろう。