鬼さんこちら、手のなる方へ。4

177 ページ30

・









あれだけ世間の人を巻き込めば
そりゃテレビ局も黙っちゃいない。









裕太君も言ってたよね。









『世の中物騒だよね。
帰りとか、気を付けないと。』




『そうだねー。
こんなに人殺してどうするんだろう。』




『確かにね。
なんか、映画みたいだねこの事件。』









『このこと。
警察にちゃんと言ったほうがいいね。

事件の手掛かりになるかもしれないし。』









『この人が連続殺人事件の犯人なんだ〜

予想してたよりお若い。』









・









宏光も言ってた。



あいつ何がしたかったんだろう。って。









確かに、私をあの場で縛って殺すって言っても
犯人の行方なんてすぐにわかるし

北海道に行くことを宏光に言ったっていうのも
裕太君は知ってた。







最初から捕まる気でいたのかな。









・









寂しくポツンと置いてあった
冷蔵庫の中にあるカレーの余り物。









きっと何日も時間が経って
腐ってるかも。









でもこれ、いつの日か・・・・・・・









『これ持ってってよ！
一人じゃ食べきれない！』









張り切ってカレーを作りすぎたせいで
裕太君にお裾分けしてもらったものだっけ。









『え、多くない？(笑)』



『四人分作っちゃった(笑)』




『だったら後残して次の日とか食べればいいのにー』



『たーっくさん食べてもらいたくて(笑)』









・









「うん………っ、おいしい。」









・









ほろ苦くて


だけど少し甘い。







カレーを私は頬張った。









・

178→←176

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す